イヌタデ

前々回、タデ科タデ属のミズヒキを取り上げましたが、今回も同じ属のイヌタデを扱いましょう。

日本の秋を代表する植物。子供の頃は空き地に群生し、拙宅の隣にあった空き地もイヌタデ一色、ピンクの絨毯状態になっていたことを思い出します。
その頃は「犬蓼」とは呼ばず、専ら「アカマンマ」と言っていました。女の子たちは、これでままごと遊びに興じていたものです。

良く似た種類にオオイヌタデ、サナエタデ、ハナタデ、オオベニタデなどがあるそうですが、私にはチャンと区別できません。できませんが、今でも路傍に咲いているのはイヌタデで間違いないと思います。
ただ、最近の都会では群生できるような空き地が少なくなった所為か、昔ほど色の鮮やかなものは少なくなったような気がします。
細々と生えているのは、何となく肩身が狭そう。

“タデ食う虫も好き好き” という言い回しがありますが、そのタデはイヌタデではなく、ヤナギタデという種類だそうです。
ヤナギタデの葉には辛味があって、その芽を刺身のツマにしたり、鮎の塩焼きに使う「タデ酢」を作ったりします。
即ちイヌタデとは、辛味が無くて役に立たない「タデ」という意味。

そもそも「タデ」とは、「爛れる」が転じたという説もあるほどです。

学名は Polygonum longisetum ポリゴヌム・ロンギセツム。「節の多い」属の「刺が長い」の意味。

イヌタデの英名はナット・ウィード knot weed というそうで、これは「節草」の意味。学名と上手く連動していますね。

 

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