パリ・オペラ座の「利口な女狐の物語」

先週末に放送されたNHK/BS2のクラシック・ロイヤル・シート。2008年10月、パリ・オペラ座の公演でヤナーチェクの歌劇「利口な女狐の物語」を観ました。1年以上前の収録ですから、多分再放送でしょう。今回は通常画面でしたが、本来はハイビジョンのはず。

女狐ビストロウシカ/エレナ・ツァラゴワ
森番/ユッカ・ラシライネン
森番の妻/ふくろう/ミシェル・グランジュ
雄狐/ハナ・エステル・ミヌディルロ
校長/デーヴィッド・キューブラー
牧師/ローランド・ブラハト
ハラシタ(行商人)/ポール・ゲイ
 合唱と管弦楽/パリ・オペラ座合唱団、管弦楽団
 指揮/デニス・ラッセル・デーヴィス
 演出/アンドレ・エンゲル

というラインナップで、流石にパリというべきか、実力派を揃えたキャストです。
例えばラシライネンはウォーナー演出のトーキョー・リングでヴォ―タンを歌った人ですし、キューブラーもロッシーニのオペラでお馴染のテノール。
また、ミヌディルロはシャトレ座の「女狐」でも今回と同じ雄狐を歌っていた人(DVDあり)で、この役を得意にしているのでしょう。

犬や穴熊も重要な役ですが、今回の放送では歌手の名前がクレジットされていませんでした。あるいは二役かとも思いましたが、カーテンコールの様子を見た限りでは個別の配役だったようですね。

(ヤナーチェクの意図は、動物と人間を二役で歌わせることで何かを暗示したかったのでは、とも考えられますが、その点は今回の演出では明瞭ではなかったと思いました)

全3幕、どの場面をとっても中央に鉄道の線路が延びています。森番の小屋も線路脇ですし、居酒屋も同じ。ドラマは全てが線路を跨いで展開されるという演出です。
従って線路には何か意味が隠されていると思われますが、それが何かは判りません。もちろん解説の類も一切無い放送でした。

ヒマワリの大輪も、歌劇の最初と最後で自然の繰り返しの象徴として使われているようです。

このオペラは森の生物がたくさん出てきますが、フランス的視点なのでしょうね、何か良く判らないモノもあったようです。中でアライグマは特徴が良く出ていました。反してイヌのラパクは何か変。

ま、このオペラは細かいことには拘らず、自然の輪廻転生の素晴らしさに感動すればよいと思います。
男性歌手陣が充実していましたし、主役のビストロウシカを歌ったツァラゴワが美人なので大いに楽しめました。

それにしてもヤナーチェクは何と独創的で素晴らしい音楽を書いたのだろうか!!

 

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