ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル(33)
第116シーズンの2回目、というか後半です。ニューヨーク・フィルの肩書を持つ最後のシーズンを飾るが如く、世界初演作品や滅多に取り上げられない作曲家、オペラの演奏会形式上演などミトロプーロスに相応しいプログラムが続きます。
1958年2月27・28日 カーネギーホール
バッハ=シェーンベルク/二つのコラール前奏曲
ブリッツスタイン/「Lear : A Study」(世界初演)
シェーンベルク/清められた夜
メンデルスゾーン/2台ピアノと管弦楽のための協奏曲
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/アーサー・ゴールド、ロバート・フィッツデール
1958年3月1日 カーネギーホール
バッハ=シェーンベルク/二つのコラール前奏曲
シシリアノス/交響曲第1番(世界初演)
ブリテン/ピアノ協奏曲第1番
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」~三つの舞曲
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/ジャック・エイブラハム
1958年3月2日 カーネギーホール
バッハ=シェーンベルク/二つのコラール前奏曲
シェーンベルク/清められた夜
メンデルスゾーン/2台ピアノと管弦楽のための協奏曲
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」~三つの舞曲
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/アーサー・ゴールド、ロバート・フィッツデール
1958年3月6・7・9日 カーネギーホール
R.シュトラウス/楽劇「エレクトラ」全曲(演奏会形式)
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ソプラノ/インゲ・ボルク、ジューン・ケリー、マージョリー・マックラング、フランシス・イーンド
メゾ・ソプラノ/リザペース・プリッチェット、エヴリン・サックス、プランシュ・シーボム
コントラルト/マーゲリー・メイヤー
テノール/デーヴィッド・ロイド、
バス/トーマス・フィッシャー、ジョルジョ・トッツィ
1958年3月10日 カーネギーホール
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
R.シュトラウス/楽劇「サロメ」~7枚のヴェールの踊り
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」~三つの舞曲
ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ヨハン・シュトラウス/トリッチ・トラッチ・ポルカ
チャイコフスキー/組曲「くるみ割り人形」~トレパック
チャイコフスキー/組曲「くるみ割り人形」~小序曲
メリック/look Sharp 行進曲
ワーグナー/歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
アンダーソン/フィドル・ファドル
スーザ/星条旗よ永遠なれ
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
1958年3月13・14日 カーネギーホール
グァル二エリ/前奏曲とフーガ
バッハ/ピアノ協奏曲二短調
シェーンベルク/ピアノ協奏曲
マーラー/交響曲第10番「アダージョ」
バーバー/メディアの瞑想と復讐の踊り
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/グレン・グールド
1958年3月16日 カーネギーホール
グァル二エリ/前奏曲とフーガ
シェーンベルク/ピアノ協奏曲
バーバー/メディアの瞑想と復讐の踊り
マーラー/交響曲第10番「アダージョ」
ヴェルディ/歌劇「シシリア島の夕べの祈り」序曲
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/グレン・グールド
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2月27日に取り上げたブリッツスタイン Marc Blitzstein (1905-1964) は、フィラデルフィアに生まれてフォール・ド・フランスに没したアメリカの作曲家兼ピアニスト。
ジャズやポピュラー音楽の影響を強く受けた人で、バーンスタインの先駆けという作風でしょうか。
3月1日にその第1交響曲が世界初演されたシシリアノス George Sicilianos (1920-2005) は、アテネ生まれのギリシャの作曲家。イタリアの聖チェチリア音楽院でピツェッティに就いて作曲を学んだあと、フランスとアメリカでも研鑽を積んでいます。
ギリシャにいわゆる現代音楽の手法を持ち込んだ最初の作曲家の一人ですね。ミトロプーロスがニューヨーク時代に紹介したかった音楽の一つでしょう。↓
http://www.mmb.org.gr/page/default.asp?id=1119&la=2
3月10日の演奏会はチャリティー・コンサート。楽しい作品が並びます。
3月13日のグァル二エリ Camargo Guarnieri (1907-1993) は、初演ではありませんが、サン・パウロに生まれて同地で没したブラジルの作曲家兼指揮者。クリスチャン・ネームがモーツァルト Mozart だそうですから、余程両親が音楽家として育って欲しいと思っていたのでしょうか。
パリでケックランに師事した人で、ブラジル特有の華やかな色彩を特徴とする作品を書いています。この人はバーンスタインも得意にしていましたね。
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