セントレジャー・フェスティヴァル2日目

イギリス北部、ドンカスター競馬場のセントレジャー・フェスティヴァルが始まりました。9月8日(水)から9月11日(土)までの四日間、メインとなるセントレジャーは最終日の開催です。

初日はパターン・レースが組まれていないのでパスしましたが、昨日は開催2日目、レディース・デイのメインは牝馬のセントレジャーとして知られてきたパーク・ヒル・ステークス(GⅡ、3歳上牝、1マイル6ハロン132ヤード)です。

シーズン最後のクラシックであるセントレジャーと全く同じ距離で争われるこのレース、かつては文字通り3歳牝馬だけによる準クラシック的存在でしたが、1991年からは古馬牝馬にも開放され、「牝馬のセントレジャー」という性格は薄まっています。

今年は12頭が出走、内訳は7頭の3歳馬に対して5頭の4歳馬という構図。オークス2着、愛オークス4着、ヨークシャーオークス4着とクラシック戦線で二番手に位置付けられるミーズナー Meeznah が2対1の1番人に支持されていました。

しかし優勝は4歳馬。5対1の2番人気を集めたイースタン・アリア Eastern Aria が4番手から抜け出し、最後の競り合いを制しての快勝です。
2着は1馬身差で3番人気のルムーシュ Rumoush が続き、更に1馬身4分の3差で本命ミーズナーの順。

先日のヨークシャー・オークスにしても、このパーク・ヒルにしても、3歳牝馬のトップクラスは尽く古馬の後塵を拝していますから、今年の3歳牝馬のレヴェルはあまり高くないのかも知れません。

勝ったイースタン・アリアはマーク・ジョンストン厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗。例によってデットーリのフライング・ディスマウントに、ウイナーズサークルを囲んだレディーたちからは盛んな歓声が送られていました。

去年(3歳時)はハンデ戦を中心に7勝したイースタン・アリア、今年はスロー・スタートながら前走リリー・ラングトリー・ステークス(グッドウッド競馬場のGⅢ、コースレコードを樹立)に続くパターン連勝で3連勝。陣営でもレース毎に力を着けている同馬に自信タップリの様子で、次は海外遠征が計画されているようです。

なお2着ルムーシュに騎乗したリチャード・ヒルズは、不注意騎乗のために2日間の騎乗停止処分を受けました。最後の直線で内に切れ込み、イースタン・アリアと馬体を接する場面が対象になったのでしょうか。

さて木曜日はロンシャン競馬場でもパターン・レースが一鞍行われました。オマール賞(GⅢ、2歳牝、1600メートル)。
レース名の由来であるオマール侯爵はシャンティーと縁の深かった人物ですから、本来はシャンティー競馬場で行われるレースです。しかし現在ではレース名だけが残り、開催場所はシャンティーとロンシャンを往復している一戦。去年まではシャンティーで行われていましたが、今年は再びロンシャンに戻っての開催となりました。

2歳牝馬の1600メートル戦という条件からして、凱旋門賞フェスティヴァルに組まれているマルセル・ブーサック賞(GⅠ)のトライアルと位置付けられるレース。
僅か4頭立てながら、2対5という圧倒的1番人気に支持されたエレボリーヌ Helleborine が圧勝でクラシック候補に名乗りを上げました。
5馬身差2着にインモータル・ヴァース Immortal Verse 、更に半馬身差で逃げたニッツァ Nitza の順。

エレボリーヌは、クリティック・ヘッド=マーレク女史の管理馬。ステファン・パスキエ騎乗。
カーリッド・アブダッラー殿下の持ち馬ですから、来春は英国のクラシックに挑戦してくる可能性大でしょう。
最も高く評価したブックメーカーは、1000ギニーに8対1のオッズを出して1番人気に並びました。

メゾン=ラフィットの新馬戦、ドーヴィルのリステッド戦に続く無傷の3連勝。その着差も4分の3馬身→2馬身半→5馬身と、レースの格が上がる毎に広げているだけに、目下のところフランス2歳牝馬のトップホースであることは間違いないでしょう。

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