セントレジャー・フェスティヴァル3日目

ドンカスター競馬場のセントレジャー・フェスティヴァル、二日目のパターン・レースは3鞍です。

第1レースに組まれたフライング・チルダーズ・ステークス(GⅡ、2歳、5ハロン)は、1頭取り消しがあって12頭立て。2歳の優駿を数多く擁するハノン厩舎のゼベデー Zebedee が10対3の1番人気に支持されていました。これまで6戦5勝、グッドウッドのモールコム・ステークス(GⅢ)を含めて3連勝中の本命です。

レースはアイルランドから挑戦してきたミュー Meow がスタンド側のラチ沿いを先頭で引っ張りましたが、満を持していたリチャード・ヒューズ騎乗の本命ゼベデーが測ったように強烈な末脚を発揮し、キッチリと差し切って期待に応えています。
首差2着にディンカム・ダイヤモンド Dinkum Diamond 、4分の3差3着にこれまで2戦2勝のニュー・プラネット New Planet が食い込みました。

これで4連勝となるゼベデー、大差で勝つタイプではありませんが、差し脚強烈なスプリンターとして活躍する馬になるでしょう。

次はドンカスター・カップ(GⅡ、3歳上、2マイル2ハロン)。10頭立ての1番人気(3対1)は、8月のヨークでロンスデール・カップ(GⅡ)に勝ったオピニオン・ポル Opinion Poll です。

しかし優勝は5対1のサムュエル Samuel 。そのロンスデール・カップで2着していた馬ですね。
1馬身4分の1差2着にタスタヒル Tastahil 、頭差3着がモトリース Motrice 。本命オピニオン・ポルは4着敗退に終わりました。

勝ったサミュエルはジョン・ゴスデン師の管理馬で、若手のウイリアム・ビューイック騎乗。
今年6歳のサミュエルは2年前に腱を故障、競走馬としては致命傷と看做されるほどの重傷を負った馬なのです。獣医の処置が適切だったのはもちろんのこと、ゴスデン師の忍耐と馬自身の回復力によって、今シーズンのサンダウン(リステッド戦4着)で復帰、前走ロンスデールを足掛かりに3戦目での復活Vを果たしました。

このあと問題が無ければ、凱旋門賞当日に行われるカドラン賞に進む予定。

3日目の最後はメイ・ヒル・ステークス(GⅡ、2歳牝、1マイル)。これは見モノでしたね。

7頭立て。8対11の圧倒的1番人気に支持されたゴドルフィンのホワイト・ムーンストーン White Moonstone の圧勝です。
鞍上ランフランコ・デットーリは持ったまま、2着アル・マディナ Al Madina に5馬身差を付けて能力の高さを見せ付けました。更に1馬身4分の1差3着はムシャラカート Musharakaat の順。

ホワイト・ムーンストーンは、もちろんサイード・ビン・スロール師の管理馬。アスコットの新馬戦、ニューマーケットのスイート・ソレラ・ステークス(GⅢ)に続く3戦無敗のクラシック候補で、既にスイート・ソレラを制した時にプロフィールも紹介しています(8月8日の日記)。

このときは1000ギニーのオッズが14対1とレポートしましたが、今回の圧勝でオッズは8対1に上がりました。昨日紹介したフランスのエレボリーヌ Helleborine と並ぶ1番人気。パートナーを組むデットーリ騎手は、彼女を“スーパーモデル”に譬えています。

9月に入り、ヨーロッパ競馬は来年のクラシック候補が続々登場してきました。あと2か月、残りシーズンの最大の見所は2歳戦と言ってよいでしょう。

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