ジョッキーのことなど

先週の土曜日、11月6日にイギリスの平場ターフ・シーズンが終了しました。最後の舞台もシーズン開幕と同じドンカスター競馬場。

今シーズン、最後まで手に汗握る死闘を演じたのはリーディング・ジョッキー争いでした。結局栄冠を手にしたのはポール・ハナガン騎手。良きライヴァルはリチャード・ヒューズ騎手で、両者の差は僅かに2勝でした。

ハナガン騎手は今年30歳。リチャード・ファヘイ厩舎の主戦騎手で、イングランド北部のヨークシャーがベース。初のタイトル獲得です。
今シーズンは3月27日開幕のドンカスターでいきなり4勝。以来一度もリーディングの座を明け渡すことなく逃げ切りました。

一方追い上げたヒューズ騎手、最後の10日間で23勝という驚異の追い上げで英競馬サークルを沸かせました。最終の土曜日には、ブリーダーズ・カップのパコ・ボーイ Paco Boy 騎乗を棒に振ってまでリーディングに拘りましたが、最後は潔くハナガン騎手を讃えています。

ポール・ハナガンくん、日本ではまだ馴染の薄いジョッキーですが、いずれ日本でも騎乗するチャンスが訪れるでしょう。大舞台での活躍も始まったばかり、ロイヤル・アスコットは去年が初勝利でしたし、今年のジャン・リュック・ラガルデール賞のウットン・バセット Wootton Basett がGⅠ初勝利でした。

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ところで、その土曜日にブリーダーズ・カップ・ターフをデンジャラス・ミッジ Dangerous Midge で制したランフランコ・デットーリ騎手、愛称フランキー・デットーリは、勝利の美酒に酔う間もなくチャーチル・ダヴンズを後にし、最終レースも見ずにローマに飛びました。この辺りが世界のトップ・ジョッキーたる所以。

そして日曜日にはローマでリオ・デ・ラ・プラタ Rio de La Plata を御して見事にプレミオ・ローマ(ローマ賞)を制しています。
これがデットーリ騎手にとって、ゴドルフィンの馬での記念すべきGⅠ戦100勝目。547回の騎乗でのランドマーク到達です。

前日のケンタッキーに続き、ローマでもフランキーのフライング・ディスマウントが見られました。

かつてはデットーリもリーディング・ジョッキーを争う一人でしたが、今や一国に拘ることなく、世界のビッグ・レースでフランキーの姿が見られない日は無い、という存在に。
今や世界の競馬界はデットーリ無しには語れないでしょう。

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そして今朝、ビッグ・ニュースが飛び込んできました。
ジョニー・ムルタ騎手がエイダン・オブライエン厩舎の主戦騎手を降りるという発表です。

ムルタ騎手は2008年からバリードイルの主戦ジョッキーとして活躍、オブライエン厩舎の名馬たちを次々とGⅠ勝利に導いてきましたが、2011年からは新たな道を探るのだそうです。

そこで注目されるのが、来年は誰がオブライエン厩舎の主戦騎手になるか、ということ。
英国の面白い所は、この話題すら賭けの対象にしてしまうところでしょう。各ブックメーカーには顧客から問い合わせが殺到しているのだそうな。

今のところ有力視されているのは、ということは1番人気になっているのはパット・スマーレン騎手。某有力ブックメーカーのオッズは6対4だそうですね。
これに次ぐのが、アガ・カーンと喧嘩別れしたも同然のクリストフ・スミオン騎手の7対2、以下ライアン・ムーア騎手、キーレン・ファロン騎手の返り咲きと続き、穴人気で急上昇してきたのがカーム・オダナグー騎手だとか。

いやはや・・・。

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