33年4ヶ月ぶりの海外旅行(1)

思い立ったが吉日、というわけでもありませんが、急に海外に行くことになりました。これはその顛末、完全に個人的な旅の備忘録ですから、興味の無い方は直ぐに戻るボタンをクリックするように。

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今回の旅はロンドン、私が海を渡るのは新婚旅行以来ですから、数えてみれば33年4ヶ月ぶりになります。家内は個人的に友人と出掛けていましたから、成田も経験済み。しかし私が前回出掛けた時は成田は完成したばかりで、ハネムーンは羽田を立って羽田に戻った旅でした。従って、恥ずかしながら成田は初経験です。

ロンドンに行く気になった理由の一つは、パスポートの期限がこの9月に切れることになっていたから。実は10年前、ある事情から海外に出掛ける要件が出来そうだったためにパスポートを取りました。(33年前のものは疾うに失効していましたからね)
ところがその用事は幸か不幸か無くなり、パスポートは使わぬまま。身分証明書代わりになっていただけでした。それが今年の9月で切れる。更新しょうか???

ひょんなことから、一度も使わないと更新の時に何か言われる、という人がいて、それなら一度行っておこうか、というのが最初の切っ掛け。(実際には未使用でも何も言われませんよ)
加えて知人から“君は海外に行った方が良いんじゃない” と言われたり、子供たちも“暇なのに何で行かないのよ。親がいない方が清々するから、1年ぐらい向うで生活すればぁ~” なんて言われたことが重なったのが運の尽き。
思い立ってから行く先を考えましたが、これはもうロンドンしかないでしょ。

私は、ロンドンが今回で4回目になります。最初は「英仏ダービーの旅」なる、当時は珍しかった海外競馬ツアーに参加したもの。1975年の6月でした。
二度目も競馬で、翌年1976年10月の「凱旋門賞の旅」に参加。パリの他に英国の競馬も旅程に含まれていました。
三度目が1978年4月の新婚旅行。これは馬とは関係なく、オランダ、ベルギーと回って、最後はロンドンで数日間を過ごしました。家内が某航空会社に勤めていて、ヨーロッパで行ったことが無いのがこの3か国、というのが選択の理由。

私は旅の計画を練るのは全くの苦手で、今回のロンドンも全て家内が計画してくれました。
二人とも団体行動が嫌いで、完全な個人旅行。ただし旅券の手配やホテルの手続きなどは旅行会社が段取りしてくれる、というもの。個人旅行の利点は、スケジュールに合わせてあちこち移動しなくて済むこと。欠点は何でも自分たちでやらなければならず、言葉が達者でない私共にはいろいろ苦労が付き纏うことですね。
(何せ新婚旅行の時は、英語すら通じない国にホテルの予約も無いまま出かけたんですから、何とかなるでしょ、という安易な気持ち)

12日の朝9時の便で成田を立ち、20日朝5時に羽田着。正味8日間弱、正確には7日間と20時間の海外旅行、英国の地方を回りたい家内の意向と、音楽を聴きたい私の主張を半分づつ取り込んだプランがスタートしました。大雑把な旅程は、

12日 ロンドン着、チェックイン。
13日 バス旅行でチェルシー、カンタベリー、ドーヴァーの旅
14日 昼は市内観光、夜はプロムス鑑賞
15日 前日と同じ
16日 前日と同じ
17日 1日フリー、思いつくまま気の向くまま
18日 バス旅行でコッツウォルズ地方の旅
19日 帰国

この間、ロンドンでの滞在はザ・ケイヴィンディッシュ・ホテル一ヶ所だけ。65歳にもなって重いトランクを引き摺って移動するのはゴメン、という点で二人の意見は見事に一致しました。チェックインしてしまえば、あとは手ぶらで何処へでも出掛けられるのは最高の贅沢ですな。

≪12日≫
品川から成田。予約していたBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)のカウンターに行くといきなりハプニング。
“すいません、既に満席です” ??? “事前に予約してあるはずですが”。要するにこういうこと。旅行会社はキャンセルを考量に入れて過剰に予約するのが常識。早いもの順に席は売れてしまう。こういう場合は出発時間の近い他の航空会社の便に振り替えてくれる。
ということで、いきなり出発時間が30分ほど遅い日本航空の便でロンドンに向かうことになりました。着いた日は特に予定もないので、ドンマイ、ドンマイ。

予定通り、というか変更時間通りロンドン、ヒースロー航空に着いたのは現地時間で12日の午後4時。猛暑の日本から来ると、ここは最高気温が20度を少し超える程度で、ホッと一息吐きます。
入国審査、別送荷物の受け取りも順調で、いざロンドン市内に・・・。

実はこれが一苦労。33年前はどうだったか全く記憶になく(最初は団体ツアーでしたからマイクロバスでした。こういうところは団体は楽だけど、苦労しないから何も残りません)、地下鉄が便利だろうという事でピカデリー・ラインのホームへ。

ところでロンドンの地下鉄はかなり以前からプリペイドの「オイスター・カード」を導入しています。東京の「スイカ」のような仕組みで、カードを翳すだけで地下鉄もバスも乗れます。
ところがオイスター・カードの買い方が判らない。“この前来た時はどうだったのよぉ~” と家内に聞いても、15年前はカードなんか無かった。ということで券売機の前でウロウロ。

でもね、結局こういうことです。機械にもよりますが、発券案内は日本語表示も選べます。現金で買える機械もあるようですが、基本はクレジット・カードを挿入し、暗証番号でカードが承認されたら、希望の額にタッチして「新規購入」を押せば目出度く「オイスターカード」が出てきます。あとは残額を機械で確認し、少なくなったらカードでも現金でもチャージすればよろしい。
こうしたことは、少なくともヒースローでは係員が付いていて手取り足取り教えてくれます。たとえ英語がたどたどしくともOK。要するに、「案ずるより産むが易し」ですな。

ただ、オイスター・カードがどういう具合に引き落とされていくのかは全く判りません。何年もロンドンで生活している人でも判らないそうで、システムが最も易い料金を検索して引かれていくのだとか。乗ってしまってから金額が不足すると厄介なので、時々機械で残額を確認し、こまめにチャージしておくのがコツなようです。
これさえマスターすれば、ロンドンの地下鉄もバスも路線図さえ持っていれば怖いもの無しですぜ。実際、大いに利用してロンドン・ライフを満喫させてもらいましたワ。

と言う具合で最初は手古摺りましたが、ホテルのあるグリーン・パーク駅に辿り着いた時には午後7時に近くなっていました。ヒースローからグリーン・パークまでは50分ほど掛かりますし、入国手続き、地下鉄のウロウロ、駅に着いてからのホテル探しなどで2時間半は掛かりましたね。次回同じコースなら、1時間半で行けると思いますよ。何事も最初が肝心です。

ホテルのチェックインでもカウンターでいろいろありましたが、ここもクレジット・カードを承認してもらうことで通りました。ロンドンではクレジット・カードが必需品です。
ポーターが荷物を運んでくれましたが、チップの塩梅がいまいち判らず、手元のコインを見せて“好きなの取ってくれ” と言ったら笑って1ポンド・コインを取り上げました。どうやらこれが相場のようで、以後は毎日のベッドメーキングのために1ポンドを枕元に置いて出掛ける習慣。これでホテル暮らしも快適でした。

いろいろあって初日は疲れましたわ。4度目のロンドンとは言え33年も経過してます。言葉もすんなり出てこないし、飛行機もほとんど寝てません。明日は朝早いバスだ、ということで、シャワーを浴びて爆睡。夕飯? 何か食べたっけ。

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