カーン作のシタール協奏曲

8月12日のプロムスはBBCウェールズ管、アサートン指揮で日本では余り聴く機会の無い作品が並びました。

≪Prom 39≫
ホルスト/交響詩「インドラ」
ニシャット・カーン/The Gate of the Moon(シタール協奏曲第1番)(BBC委嘱作、世界初演)
     ~休憩~
ヴォーン=ウィリアムス/交響曲第2番「ロンドン」
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 指揮/デヴィッド・アザートン
 ニシャット・カーン(シタール)

前半は何の関係も無いように見えますが、実はインド繋がりの選曲。ホルストは「日本組曲」など東洋を主題にした作品がかなりあり、これもその一つ。
インドラはリグ・ヴェーダに登場する雨と嵐の神、あるいは闘いの神で、竜と闘うストーリーが収録されているそうです。
作品番号は13、1903年の作曲ですから、惑星より10年ほど前、10分強の作品。

2曲目はインドのシタール奏者ニシャット・カーンへの委嘱作。カーンについては海外のウィキペディアに紹介があります。

http://en.wikipedia.org/wiki/Nishat_Khan

この記事によると、日本の国会でも演奏したことがある由。音楽ファンより政治家の先生諸氏の方がよく知っている方かも知れません。
シタールと言えば私の世代では去年亡くなったラヴィ・シャンカールを思い出しますが、シャンカールにもシタール協奏曲があったと記憶します。
今回のものはBBCが委嘱して、プロムスで初演の運びになったもの。「第1番」と表記しているので、今後第2番以降を作曲する意向があるのでしょうか、なぁ~んちゃって。

事前のインタヴューによると5部から成るとのことですが、聴いた限りでは全曲40分程が切れ目なく演奏されます。テレビのドキュメント番組にそのまま使えそうな個所もありました。

後半は英国の交響曲を代表する作品。日本ではヴォーン=ウィリアムスの人気は今一つですが、一番聴きやすいのがこの2番。何処となく日本民謡を連想させるようなメロディーもあり、ロンドン交響曲からヴォーン=ウィリアムスに入門するのが手っ取り早いかと思います。

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