デュトワのローマ特集

怒涛のシュトラウスが終わり、9月最初のプロムスは爽やかにデュトワのラテン系でスタートしました。

9月1日 ≪Prom 60≫
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
ウォルトン/協奏交響曲(オリジナル版)
     ~休憩~
レスピーギ/ローマの祭
レスピーギ/ローマの泉
レスピーギ/ローマの松
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/シャルル・デュトワ Charles Dutoit
 ピアノ/ダニー・ドライヴァー Danny Driver

特に今年のテーマに沿ったものではありませんが、シュトラウスやマーラーなど重くて暗い音楽が多い中、やはりデュトワの色彩感に溢れた棒には新鮮味を感じます。
ベルリオーズとレスピーギはオーケストラの定番レパートリーですから特記することも無いでしょう。どれもデュトワ自身の録音もあります。ただ、レスピーギのローマ三部作を纏めて取り上げるのはプロムス初なのだとか。東京では私も何度かナマ体験したプログラムですけど。

前半の最後に演奏されたウォルトンは、今年のプロムスの隠れテーマでもある作曲家。今回は珍しいオリジナル版での演奏でした。
この曲は1928年に初演されましたが、その後改訂したものが1944年に演奏され、その形でオックスフォードから出版されています。私の手元にあるスコアも所謂改訂版で、今回聴き比べましたが、独奏ピアノのパートがより難しい書き方になっているように感じました。3楽章構成はどちらも同じです。

このオリジナルを初演したのが、エルネスト・アンセルメ指揮のロイヤル・フィル。アンセルメはラテン系・ロシア系作品を多数デッカに録音しましたが、デュトワはそのアンセルメ・レパートリーをほとんど同じデッカにディジタルで再録音したマエストロ。
初演を受け持ったロイヤル・フィル共々、縁の深い作品の再演という形になります。

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