ナクソスとヘフリッヒ
毎度同じようなことを書きますが、クラシック音楽の媒体は急速に変わってきていますね。このところ古い資料などを引っくり返す機会が多いので、特にそう感ずるのかもしれません。昔の常識は時代遅れッ、てこと。
レコードを聴こうとか、買おうとかすると、私の世代ではドイツ・グラモフォンとかEMIとか、かつての老舗が良いものだと思いこんでいるから、ついついそういうカタログを漁ってしまいます。
でも、最近の老舗が扱っているのはシロウト相手の売れ筋だけなんですね。チョッと脇に逸れるとまるで使いものにならない。老舗の嗜好が大衆をリードしてきたから、と言ってしまえばそれまでだけど。
ネットで資料を捜していると、ナクソスなんて凄いですね。廉価盤の安かろう悪かろうレーベルだと思っていたけれど、とんでもない。ナクソスこそレコード史上最大のレーベルでしょうが。
扱っている作曲家の数、作品の量。ネット上で全部公開しているし、実際に聴くことだって出来る。ここをクリックして御覧なさい。作曲家を検索して知っている人は何パーセントいますかな? これが全部タダでライナーノーツなど読めちゃう。ナクソス様様であります。
楽譜もそうです。オイレンブルクとかブライトコプフとか、そういう老舗を先ず捜してしまいます。どうしても作曲家と出版社の関係があるから、ヤナーチェクならユニヴァーサルとか、プッチーニならリコルディ、てことになりますわな。
でもこれでは手に入らないものが多過ぎるんです。老舗は版権は所持しているけれど、売れないから出さない。
そんな作曲家知らない、って人は永遠に陽の目を見ない。
最近は少し事情が変わってきましたね。結構なことです。
ミュンヘンの出版社、ユルゲン・ヘフリッヒ。次々と知られざる作曲家、聴かれざる作品をスコアの形で出してくれる。全てリプリント版ですが、“どうしてこの曲の楽譜出てないの?”という疑問に明確に答えを出してくれています。
これもクリックして下さいな。ネッ、知らないものばっかりでしょう。毎月のようにレアものが出てくる。決して廉くはないですけど、“おぉー、これがあるのか!”という狂喜の連続。
http://
ナクソスとヘフリッヒ。あなたたちは偉いッッッ!!!
体裁にはお金をかけていないからチョッと目には貧相に映るけれど、内容は老舗なんぞの遠く及ぶものではありません。
もう、ナクソスとヘフリッヒなしには健全な音楽ライフは送れませんね。
最近のコメント