アスラエルをやれ!!

決算のやり取りのゴチャゴチャも漸く終わりが見えてきました。面倒臭い資料探しも税理士とのやり取りも、み~んなみんな若い衆に任せて(押し付けて、が正しい)、こっちは机に座ってむくれているだけだけれども、イライラする。

ところで・・・。
アカデミアから4月入荷の案内がファクスで来ていたけれども、仕事を中断して出掛けるわけにもいきません。そこで家内に取りに行って貰いました。
今月は2冊、スーク(正しくはスクと読むらしい)の交響曲が二つ。番号は付けないらしいけれど、ホ調の比較的若い頃のものと、「アスラエル」というタイトルで知られているもの。一気に聴いてしまいました。

「アスラエル」は、やはり凄い曲です。スコアを見ながら聴くとゾクゾクします。手元にあるCDはノイマン指揮チェコ・フィルの演奏。私はノイマンを高く評価できませんし、これもいろいろと不満の残る演奏だと思いますが、それでも作品の素晴らしさは誤魔化しようがありませんね。近々出るらしいターリッヒの古い録音が待ち遠しい。

スークはドヴォルザークの娘を嫁さんに貰いました。相思相愛だったそうです。「アスラエル」はドヴォルザークの死にショックを受けて作曲を開始した作品ですが、途中で最愛の妻、即ちドヴォルザークの娘も亡くなってしまいます。まだ30代。悲嘆の内に作品全体を見直し、ドヴォルザークと愛妻への想いを作品に完成させたのでした。

アスラエルは死者に付き添う精霊の名前とか。全部で5楽章だけれど、第2楽章にはドヴォルザークのレクイエムの一節が引用されます。第4楽章は妻のポートレート。

「死のモチーフ」というのが全体を支配していて、チェコの人々は事に寄せてこの作品を演奏し、愛聴してきたのだそうですね。ウルマンという作曲家は、このモチーフを使ってオペラまで書いているらしい。

何故、これを日本でやらないのかなぁ。ハッキリ言えば、ドヴォルザークの初期の交響曲などよりずっと優れていますよ。
こういうことを書くと文句を言われるかもしれないけれど、日本でもマーラーの第2や第8などの愚作を何度も演奏せずに、スークの「アスラエル」をやれ!!!

この間のトゥービンだってそう。私にとってはマーラーよりずっと大切な作曲家であることを確信しましたね。
世の中には凄い作品が知られずに眠っているものです。音楽界全体の保守性というか、冒険心・好奇心の無さには辟易していますよ。

さて、
スークはヨゼフ・スークといいますが、同じ名前のヴァイオリニストもいますね。まだ現役かな? こちらは作曲家のお孫さん。
今回、楽譜の解説を読んでいて知ったのですが、作曲家ヨゼフ・スークの親爺さんもヨゼフ・スークというのだそうですね。
何とも紛らわしいことで・・・。

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