3頭立てのクラシック・トライアル

この時期になるとヨーロッパは連日のようにG戦が行われます。昨日はフランスのサン=クルー競馬場でグレフュール賞 Prix Grefulhe (GⅡ、3歳牡牝、2000メートル)が行われました。馬場は相変わらず very soft 。

このレースも英仏ダービーとして重要なレースと考えられてきましたが、今年は最初から登録は4頭だけ。近年のフランス競馬のレヴェルに疑問を持たざるを得ませんね。半世紀前には世界の頂点に立っていたフランス生産界ですが、近年の急激な衰退ぶりには目を覆うばかり。
と、愚痴を言っても始まりませんが、この日は去年のクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)勝馬エピキュリス Epicuris が出走してきました。前走4月6日のラ・フォース賞(GⅢ)で大本命に推されながら不可解な負け方(2着)をした、あの馬ですね。

ところが昨日は更に拙いことが起きてしまします。パドックでは入れ込み、レース前のパレードも拒否して不安が過ります。そして遂にはゲートインも拒否、結局スターターの判断で発走除外になってしまいました。ストール・テスト(日本で言うゲート試験)が必要でしょう。
このアクシデントで最終的には3頭立て。止むを得ず2対5の本命に挙げられたのは、3歳デビューで2戦2勝のサンバル Sumbal 。未だ何の実績も無い1頭ですが、他の2頭よりは魅力があるという人気です。

一番人気の無い(33対10)クーロス・ジェロワ Kouros Jelois が逃げ、サンバルは2番手。直線に入るとサンバルが楽に先頭に立ち、一旦は3番手に付けていた2番人気(2対1)のアントールド・シークレット Untold Secret (未勝利馬)に内から並び掛けられましたが、気合を入れられると直ぐに引き離し、ゴールではアントールド・シークレットに6馬身差を付けていました。10馬身差でバテたクーロス・ジェロワが3着、と言ってもどん尻でした。
晴れて無敗のままGⅡ勝馬になったサンバルは、カタール・レーシングの所有馬で、フランシス・ガファール厩舎、アンドレア・アトゼニ騎乗。今年3月10日にサン=クルーでデビュー勝ちし、4月4日にはローカル競馬(コンピエーニュ競馬場)の一般戦と連勝し、これが3戦目。この日も追加登録料を支払って参戦してきたほどですから、G戦に楽勝したと言っても未だ能力は未知数でしょう。
陣営では仏ダービーに向かうかどうか、これから思案するとのこと。カタール・レーシングは英ダービーにはエルム・パーク Elm Park を予定しているので、2頭を同じレースでぶつける気持ちは無いようです。

レースそのものを拒否したエピキュリス、管理するヘッド=マーレク女史は、金曜日にストール・テストを試み、合格すれば週末のギニー・デイに行われるオカール賞を予定するとのこと。何しろ走っていないのですから、馬自体に消耗はありません。問題は気性面だけですから。

 

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