日曜日のクラシック・トライアル

昨日の日曜日、イギリスとフランスでクラシックに向けたトライアルがバタバタと行われました。英→仏の順にレポートを。

先ず英国はサンダウン競馬場の馬場 good で行われたクラシック・トライアル Classic Trial (GⅢ、3歳、1マイル2ハロン7ヤード)。
1頭取り消しがあり9頭立てで行われました。3対1の1番人気に支持されたのは、前走ニューマーケット・クレイヴァン開催でリステッド戦に勝った(4月14日の日記参照)ドドーニ Dordogne 。今回もデットーリが跨ります。

そのドドーニ、直ぐにハナに立つと先頭で直線に向かいましたが、馬は次第に外ラチに膨れていきます。
追う各馬は、広い直線コース一杯に広がって横並びの混戦。この中から内コースを通った3頭が抜け出し、最内を通ったジーニアス・ビースト Genius Beast が真っ直ぐに伸びて優勝。2着は2馬身4分の1差でメジャリング・タイム Measuring Time が入り、更に半馬身差3着にオールド・バーンズ Auld Burns の順。2・3着はいずれもハノン厩舎所属馬です。
外に膨れたドドーニは馬が若いのか気性が悪いのか、デットーリも追うのを諦めてどん尻9着の凡走。2・3着馬は夫々3・2番人気でしたが、勝ったジーニアス・ビーストは8対1、チョイ荒れのトライアルでした。

勝ったジーニアス・ビーストはデビュー戦(去年8月のニューマーケット)でフランケル Frankel の3着していた馬。このトライアル勝によってフランケルの評価は益々高まってきました。
ゴドルフィンの馬で、アームド・アル・ザローニ厩舎、アームド・アジテビ騎乗。ザローニ師によれば、馬場状態を考慮して出走は直前に決めた由。このあとダンテ・ステークスを使い、結果を見てダービーに出るかどうかを判断するそうです。この勝利で出されたダービーのオッズは、33対1から40対1とブックメーカーにより区々です。
ジーニアス・ビーストの父はキングマンボ Kingmambo ですが、母シャワンダ Shawanda は愛オークスとヴェルメイユ賞に勝った良血。如何にもダービー向きの血統であることにも注目です。

さてロンシャンに飛びましょう。昨日は3つのトライアルG戦が組まれていました。

レース順に、先ずノアイユ賞 Prix Noailles (GⅡ、3歳、2100メートル)から。ダービーに向けたトライアルです。
比較的経験の浅い8頭が出走。1番人気は2頭が分け合い、7対2でグランド・ヴェント Grand Vent とムーニー Moonyr が並んでいました。

優勝はその1頭、グランド・ヴェント。中団から追い込み、早目に抜け出したデューラー Durer を半馬身差捉えました。短頭差3着にはトゥーズ・プライス Touz Price 。人気を二分したムーニーはどん尻8着敗退です。
グランド・ヴェントは2歳時トーマス・ブライオン賞(GⅢ)で3着した馬で、アンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グイョン騎乗。パターン・レースは初勝利です。着差以上に強い内容で、このあとは仏2000ギニーと同じ日に行われるオカール賞からダービーに向かうローテーションとか。
父はシロッコ Shirocco 。

続いて注目のフォンテンブロー賞 Prix Fontainebleau (GⅢ、3歳、1600メートル)。こちらはギニーのトライアルです。
ここは強力なメンバーが揃い、11頭立て。5対2の1番人気にはクリテリウム・インターナショナル(GⅠ)2着のサルト Salto が支持されていました。他にも同レース3着のマイグリ Maiguri 、そのマイグリとジャン・リュック・ラガルデール(GⅠ)で2着同着のティン・ホース Tin Horse 、更に我がディープインパクト産駒のバロッチ Barocci と多士済済のメンバー。

結果も大混戦で、1馬身以内に6頭が一斉に雪崩れ込む決着。写真判定の末、僅かに首差抜けたのは9対1のグラスヴェーギアン Glaswegian でした。以下短首、短首、短首、半馬身の着差で、2着ロザナバッド Rosanabad 、3着ティン・ホースの順。
バロッチは中団から抜け、一旦は先頭に立つ場面もありましたが、最終的には4着惜敗。5着ミスター・アイスマン Mister Iceman 、6着の本命サルトまではほとんど実力的には差のない馬と見て良いでしょう。展開やペース次第で結果は如何様にもなろうかと。
勝ったグラースヴェーギアンはパスカル・ベイリー厩舎、ステファン・パスキエ騎乗。

最後は牝馬のためのトライアル、グロット賞 Prix de la Grotte (GⅢ、3歳牝、1600メートル)。もちろん英仏1000ギニーへのステップ・レースです。
7頭が出走、9対5の1番人気にはレゼルヴァール賞(GⅢ)勝馬のエスピラータ Espirata が支持されていました。

しかし優勝は21対10のゴールデン・ライラック Golden Lilac 、1馬身半差2着にミックスド・インテンション Mixed Intention が入り、短首差3着がフィップ・アンド・ウイン Whip And Win 。本命エスピラータは4着止まりでした。
ゴールデン・ライラックはこれで無傷の3連勝。アンドレ・ファーブル調教師とマクシム・グィヨン騎手のコンビは、ノアイユ賞に続きパターン・レースのダブル達成です。
実はゴールデン・ライラックの母グレイ・リラス Grey Lilas もまたグロット賞の勝馬(2004年)で、母娘による親子制覇ともなりました。ゴールデン・ライラックの父はガリレオ Galileo ですが、当然ながら先ずは仏1000ギニーを目指すでしょう。

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