ヨークシャー・カップ、久々の美酒

ヨーク・メイ・ミーティングの最終日は、古馬ステイヤーによる伝統の一戦、ヨークシャー・カップ(GⅡ、4歳上、1マイル6ハロン)が行われました。伝統の一戦といっても、創設は1927年だったと思いますから、そんなに古いものじゃありません。
「カップ」というタイトルが付くのは大抵が長距離レースで、ヨークシャー・カップもずっと2マイルで行われてきました。特に近年は長い距離が嫌われる傾向があって、現在では2ハロンほど短くなっていますね。
今年は8頭が出走し、7歳の芦毛馬・ジョルディーランド Geordieland が勝ちました。調教師はジェイミー・オズボーン、騎手はシェーン・ケリーです。オッズは13対2。
2着は頭差でロイヤル・アンド・リーガル Royal And Regal 、3着は5馬身離されてサミュエル Samuel という結果。オブライエン厩舎のホノルルは4着、古豪サージェント・セシルが5着。
さて勝ったジョルディーランド、5歳の途中まではフランスで走っていた馬で、2年前にイギリスのオズボーン厩舎に転厩してきました。しかし移籍後はもう一歩で勝ちに恵まれず、オズボーンさんとしてはフラストレーションが溜まっていたでしょうね。去年の主だった成績は、
去年のヨークシャー・カップ  サージェント・セシルの2着。
アスコット・ゴールド・カップ  イェーツの2着。
ドンカスター・カップ  セプティマスから5馬身差の5着。
ポンテフラクトの長距離戦  ラヴ・ブラザーズの2着に凡走。
てな具合です。かつてはメルボルン・カップにも遠征したほどの馬。今回の久し振りのパターン・レース優勝で、やっと面目を施した感があります。
また、騎乗したケリーにとっても感慨があったのじゃないでしょうか。実は彼、去年インサイダー疑惑が発覚し、1年間の騎乗停止処分を受けていたんですね。真実は闇の中ですが、関係者の間では不当な処分だ、という声も挙がっていました。
インサイダー取引って、何も株式売買の世界だけの話じゃないんです。競馬だってべッティング(賭け)の対象ですから、関係者しか知り得ない情報を元に不正な利益を得る奴だっているわけです。
ということでケリー騎手、騎乗停止が明けて3週間目でのパターン・レース優勝。オズボーン師、ジョルディーランド共々、久々の美酒に酔ったことでしょう。
以上、3日間のヨーク・メイ・ミーティング、無事に終了しました。

 

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