ウィーン国立歌劇場公演「オテロ」

オッタヴァ・テレビが5月から配信を開始したウィーン国立歌劇場の録画中継、6月の第二弾は「マノン」に続き、ヴェルディの「オテロ」です。昨日の夜10時半から配信がスタートし、23日の夜10時半まで視聴可能。日曜の夜10時半までに見始めれば、映像終了まで楽しむことが出来るようです。キャストは以下の通り。

オテロ/アレクサンドルス・アントネンコ Aleksandrs Antonenko
イヤーゴ/ヴラジスラフ・スリムスキー Vladislav Sulimsky
デスデーモナ/オルガ・ベスメルトナ Olga Bezsmertna
カッシオ/シャホウ・ジンシュ Jinxu Xiahou
ロデリーゴ/レオナルド・ナヴァーロ Leonardo Navarro
ロドヴィーコ/パク・ジョンミン Jongmin Park
モンターノ/マヌエル・ヴァルザー Manuel Walser
エミーリア/マルガリータ・グリツコヴァ Margarita Gritskova
使者/フェルディナンド・プファイファー Feridinand Pfeiffer
合唱/ウィーン国立歌劇場合唱団
指揮/チョン・ミュンフン Chung Myung Whum
演出/エイドリアン・ノーブル Adrian Noble
舞台美術及び衣裳/ディック・バード Dick Bird
照明/ジャン・カルマン Jean Kalman

オペラ通ではない私が知っているのは指揮するチョン・ミュンフンだけですが、そこはウィーンだけに今旬の歌手たちが揃いました。国際的なキャスティングなのは流石にウィーンで、オテロのアントネンコはラトヴィア出身。ヴェルディ生誕200年の2013年にザルツブルク音楽祭でオテロを歌い(ムーティ指揮、DVDも出てます)、2015年にはメット、ネゼ=セガンの指揮でも歌っています。いわゆる黒塗りのオテロじゃありません。
イヤーゴ役のスリムスキーはベラルーシ生まれで、マリインスキー劇場を中心に歌っているバリトン。もちろんイヤーゴはマリインスキーでも得意役で、悪役にピッタリな風貌と声の持ち主。ウクライナ出身のデスデーモナ、ベスメルトナは2012年からウィーン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活躍し、様々な役柄をこなす弱音の美しいソプラノです。

他にカッシオのジンシュは中国、ロドヴィーコのジョンミンが韓国、ロデリーゴのナヴァーロはチリ、エミーリアのグリツコヴァがロシア、モンターノはスイス出身のヴァルザーと全て国籍が違う歌手が揃いました。イタリア人もドイツ人も、そしてウィーンの歌手もいないというインターナショナルなオテロと言えましょうか。

冒頭の群衆の衣裳にこそ多少違和感がありましたが、演出はほぼオーソドックスなもの。暗い陰謀を象徴するような黒主体の舞台に、オテロとデスデーモナの白い衣装が効果的。これに対照的なのが光の扱いで、第1幕の篝火と星、第3幕のシャンデリア、第4幕の蝋燭が美しい舞台を創り出していました。
前回までの映像では日本語字幕が小さく、スマホでの鑑賞には厳しいということでしょうか、今回は極めて大きな文字に。これが却って舞台を見難くし、私は直ぐに字幕をオフにしてしまいました。オテロのような良く知られたオペラでは、字幕は態々見る必要もないでしょう。

オテロが終わると、直ぐに24日の午前1時半からトスカが始まります。

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