ウィーン国立歌劇場公演「マノン」
NHKを始めとするオールド・メディアの衰退が著しい昨今ですが、電波を使った放送に対し、ネットによる情報が急速に発達してきました。ここ数年、私も音源・楽譜共に急速にネットに移行しています。
ユーチューブで見るオペラ、CDはナクソスのミュージック・ライブラリー、BBCプロムスのネット中継などコンテンツも多岐に渉りますが、先月から始まったファン垂涎のネット中継が、オッタヴァ・テレビでスタートしたウィーン国立歌劇場のプログラムでしょう。
スタートは5月から。私はウッカリしていて気が付いたのが先月末、辛うじてアイネムの「ダントンの死」を鑑賞することが出来ました。「リゴレット」「セヴィリアの理髪師」「影の無い女」は残念無念。
試聴するには、先ず無料の会員登録を済ませ、聴きたい観たい演目のチケットをクレジット決済で購入する。現在は一演目1650円で見ることが出来ます。試聴期間は現地ウィーンでの上演からほぼ3日間。演目によって開始時間は異なりますが、期間中なら何時でも、何度でも視聴することが出来ます。詳しくはこちらのホームページから入って下さい↓
ということで、6月10日の早朝から始まっているのが、マスネーの「マノン」。ウィーンのシュターツ・オパーに出掛けた気分になって、もう2回も聴いてしまいました。
こんな配役です。
マノン/ニーノ・マチャイゼ Nino Machaidze
騎士デ・グリュー/ファン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Florez
デ・グリュー伯爵/ダン・パウル・デュミットレスク Dan Paul Dumitrescu
レスコー/アドリアン・エレート Adrian Eroed
ギヨー・ド・モルフォンテーヌ/ミハエル・ローレンツ Michael Laurenz
ド・ブレティニ/クレメンス・ウンターライナー Clemens Unterreiner
プゼット/イレアナ・トンカ Ileana Tonka
ジャボット/スヴェトリーナ・ストヤノヴァ Svetlina Stoyanova
ロゼット/ソルヤーナ・クシュプラー Zoryana Kushpler
宿屋の主人/レナーテ・グッチュ Renate Gutsch
近衛士官/ドミニク・リーガー Dominik Rieger
指揮/フレデリック・シャスラン Frederic Chaslin
演出/アンドレイ・セルバン Andrei Serban
務台美術と装置/ペーター・パブスト Peter Pabst
照明/トーマス・ラング Thomas Lang
合唱/ウィーン国立歌劇場合唱団
全5幕、第3幕は1場と2場に分かれ、第3幕第1場と第2場の間に20分の休憩が入ります。オペラ本体は字幕を選択でき、当然ながら日本語字幕で楽しみました。
開幕前と幕間にインタヴューやドキュメントが流れますが、残念ながらこれは字幕が無く、ドイツ語の分かる人だけの特典かな。
マノンはプッチーニの「マノン・レスコー」と同じストーリーですが、人物設定などが若干異なり、プッチーニでは登場しない役柄も出てきます(例えばデ・グリューの父)。
ストーリーや作品の概要は事前にウィキペディア等で調べておきましょう。
主役のペア、マチャイゼとフローレスはボローニャ歌劇場でベルリーニの「清教徒」でも共演していますからお馴染み。指揮するシャスランは2011年10月に名フィルに客演して自作を含むフランス音楽プロを振っていますから、聴かれた方もおられるでしょう。エーリッヒ・クライバーとデ・サバタを足して2で割ったような風貌ですから、オールド・ファンはニッコリです。
上演によって細部に変更のあるオペラのようで、ドーヴァー社版のスコアを参照した所、第1幕と第5幕に小さなカットがあり、逆に第3幕第1場では異稿と思われる華やかな場面が追加されてしました。
マノンは木曜日の早朝まで配信されていますから、12日までに楽しみましょう。6月はこのあと20日からオテロ、23日からトスカ、29日からはアイーダが予定されています。詳しくはオッタヴァのホームページからどうぞ。
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