サー・ヘンリー・ウッドのチャレンジ精神を讃えて

8月に入って最初のプロムスは、BBC交響楽団がサー・ヘンリー・ウッドの業績を讃える一夜を催しました。

8月1日 ≪Prom 18≫
ブリテン/ピアノ協奏曲
     ~休憩~
マーラー/大地の歌
 BBC交響楽団
 指揮/エドワード・ガードナー Edward Gardner
 ピアノ/レイフ・オーヴェ・アンスネス Leif Ove Andsnes
 メゾ・ソプラノ/クラウディア・マーンケ Claudia Mahnke
 テノール/スチュアート・スケルトン Stuart Skelton

この日の2曲、共にヘンリー・ウッドがプロムスの祭典の中で世界に、英国に紹介した作品。前半のブリテンは1938年8月18日、作曲者のピアノとヘンリー・ウッド指揮BBC交響楽団によって演奏されたのが世界初演。一方、マーラーはプロムスでではありませんが、1914年1月に当時のプロムスが行われていたと同じ会場であるクィーンズ・ホールでウッドが指揮したのが英国初演とされています。何度も紹介しているように、今年はウッドの生誕150年に当たります。

このプログラムを指揮するエドワード・ガードナーは、2021-22シーズンからロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任することが発表されたばかり。ニュースが報じられてから最初のコンサートでもあります。

ソリストのアンスネスは、既にブリテンの協奏曲をパーヴォ・ヤルヴィと録音していますから、得意とする作品の一つなのでしょう。これは意外な感じがしました。
ブリテンはこの協奏曲を初演後に改訂し、今回の演奏も1945年改訂版。譜面を見て聴きたい方は、ブージーのオンライン・スコア会員に登録して(無料ですぞ!!)お楽しみください。それにしてもカデンツァ、大変なテクニックを要するもの。如何にブリテンがピアノの名手だったかが偲ばれます。もちろんアンスネスも圧巻。

そのアンスネス、アンコールとしてスペインの作曲家モンポウ Federico Mompou (1893-1987) の「街はずれ」Suburbis から第1番を弾いてくれました。新たなレパートリーの発見です。

後半のマーラーに付いては特に触れるまでもないでしょう。メゾのマーンケは今年3月にカンブルラン/読響でグレの歌を聴いたばかり。テノールのスケルトンも新国立劇場のピーター・グライムズで楽しんだ方も多いでしょう。

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