SQW2009-2010フェスタ3日目

昨日の週末、晴海トリトンで行われている四重奏祭り3日目を聴いてきました。キュレーターのカルミナ四重奏団を中心にするフェスタ、昨日の演目は、
メンデルスゾーン/弦楽五重奏曲第2番変ロ長調作品87
     ~休憩~
ブラームス/ピアノ五重奏曲へ短調作品34
 カルミナ四重奏団
 第2ヴィオラ/川本嘉子
 ピアノ/田部京子
久し振りにトリトン内の翠江堂を覗いたら、名物「苺大福」があったのでゲット。
聞けば日曜・祝日はイチゴが入荷しないので販売がない由。SQWのWがウィークエンドになってから空振りが多い理由が判りました。
金曜日にも拘わらず7時開演(以前、平日はアクセスの悪さから7時15分が定刻だったものですが)、慌しい設定ながら客席はかなり埋まっています。批評家率が高いのもカルミナ故でしょうか、ミーハーが多いんでしょうか。
2日目も聴いた常連さんの話では、初日以上に「崩し」が多く、時に「崩れた」という印象だったとか。他に、CDとは全然違う、という意見もあって、どちらか言えばネガティヴな批評が多く聞かれました。
表記の通り、この日は合わせモノ。「カルミナQ」としての癖は控えめにならざるを得ないでしょう。
前半のメンデルスゾーン、ゲストはジュネーヴのコンクールで優勝している川本嘉子。自身もクァルテットの一員だし、室内楽奏者としては第一線の人。息の合ったメンデルスゾーンを披露しました。
私の感想は初日とほぼ同じ。緩徐楽章のきめ細かな表現と、感情をタップリ籠めた歌い方に、この団体の実力が最も良く出ていると感じました。
時折ファーストの音が擦れるような箇所、音が荒くなるような場面もあって気にはなりましたけれど・・・。
後半のブラームス。これは名演でした。共演の田部京子はカルミナQと何度も共演し、CDも録れています。
田部がシリーズで取り組んでいる「シューマン+」、1年前のコンサートではカルミナがゲストでシューマンの五重奏曲を演奏しています。
今回はそのお返し、カルミナ四重奏団のコンサートに田部がゲスト出演という形でしょうか。
ステージ中央にピアノが座るため、クァルテット本体は通常より客席に近く座ります。
私のシリーズ定席は3列目の中央なのですが、この僅かな配置の違いによって音楽が更に間近に感じられます。眼前に展開する室内楽の迫力。
田部のピアノは鋭さより豊かさに特色があります。カルミナとは音色的にも相性が良いのでしょう。
前・後半とも客席は大いに沸き、鳴り止まぬ拍手に応えてアンコール。去年共演したシューマンのピアノ五重奏から第3楽章のスケルツォ。客席はこれでまた火がついてしまったようです。
メンデルスゾーンとブラームス。どちらも華やかというより、優れて暖かい演奏と感じたのは、両曲とも♭系の作品だったことも影響していると思います。
メンデルスゾーンの四つの楽章、ブラームスの四つの楽章、それにアンコールのシューマンですら全て♭系というのは、プログラム構成としてもユニークなものでしょう。
演奏会終了後のサイン会にも長い列が出来ていました。
ところで2階席の正面最奥に陣取っていた外国人の若者たち、あれは明日初登場するべネヴィッツ・クァルテットの面々に違いないぞ。
今回のフェスタ、私にとっては彼等こそ本命。楽しみにしてますよ。

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