コバンソウ

随分昔にこの植物を見つけ、名前を調べて笑ってしまったことがありましたっけ。だって、小判そっくりなんですから。
イネ科の植物を取り上げるのは初めてです。イネ科は花が特別目立つわけではありませんし、チョウやハチが集まるわけでもありません。
ですから散歩で目に付くことはあまりないのですが、コバンソウは独特なので気が付くことが多いようです。
とは言っても、都内ではあまり見かけません。拙宅の周りでも場所は限られています。
意外にマンションの庭だったりするのは、観賞用のものが逃げ出したばかりなんでしょう。
ところが先月、金沢を旅した時には、それこそ、そこら中で群落を作っているのに出遭いました。
金沢の街中、加賀温泉駅から山中温泉に向かうバスの車窓から、小松空港の周辺と。
さすがに百万石の土地柄だと感心したものです。
小判の形そっくりに見えるものは「小穂」というものだそうで、小花が集まって出来ています。糸のような柄にぶら下がっていますが、風が吹くとカサカサと音を立てます。
花期は5月から7月だそうですが、不思議に金沢も東京も同じ頃に咲いていました。石川県は日本海側、海岸が近いので東京よりは条件が適しているのでしょうかね。
これも帰化植物。原産はヨーロッパで、日本には明治時代に観賞用として輸入され、例の如く逃げ出して野生化したもの。
ドライフラワーになっているのも多いそうです。
帰化して随分時間がたっていますから、普通の野草図鑑にも帰化植物図鑑にも載っています。
学名は Briza maxima ブリザ・マクシマ。属名ブリザはギリシャ語の「うなづく」。“実るほど、頭を垂れる稲穂かな” という表現があるように、満開の時には属名の言い得て妙にうなづきます。
種名マクシマは、最大の、ということ。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください