ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル(14)

ミトロプーロス、音楽監督として最初のシーズン。その後半のプログラムです。

1952年1月31日、2月1日 カーネギーホール
 クープラン=ミヨー/前奏曲とアレグロ
 キルヒナー/二部のシンフォニア
 ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
 フランク/交響曲 ニ短調
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ

1952年2月3日 カーネギーホール
 フランク/交響曲 ニ短調
 チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ

1952年2月7・8日 カーネギーホール
 モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」
 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番
 クラップ/交響曲第8番ハ長調
 ストラヴィンスキー/バレエ「ペトルーシュカ」組曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/マイラ・ヘス

1952年2月10日 カーネギーホール
 モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」
 シューマン/ピアノ協奏曲
 ストラヴィンスキー/バレエ「ペトルーシュカ」組曲
 ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/マイラ・ヘス

1952年2月14・15日 カーネギーホール
 シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ
 ドホナーニ/ヴァイオリン協奏曲第2番ハ短調 作品43
 ベートーヴェン/交響曲第3番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/フランシス・マグネス

1952年2月16日 カーネギーホール
 シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ
 ヴォーン=ウィリアムス/2台ピアノのための協奏曲ハ長調
 ベートーヴェン/交響曲第3番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ホイットモアとロウ

1952年2月17日 カーネギーホール
 ベートーヴェン/交響曲第3番
 ヴォーン=ウィリアムス/2台ピアノのための協奏曲
 ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ホイットモアとロウ

1952年2月21・22・24日 カーネギーホール
 モンテヴェルディ=レスピーギ/歌劇「オルフェオ」全曲(演奏会形式上演)
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ソプラノ/フランシス・グリーア、エリノール・リンク
  メゾ・ソプラノ/ジェーン・ホブソン、メアリー・ハンフリー
  コントラルト/ホイットフィールド・ロイド
  テノール/チャールス・カルマン、ジョン・マッコーラム
  バリトン/マーデン・ベイト、マック・ハレル
  バス/J.オールデン・エドキンス
  合唱/スコラ・カントルム(合唱指揮/ヒュー・ロス)

1952年2月28・29日 カーネギーホール
 ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」序曲
 ベートーヴェン/交響曲第6番
 チャイコフスキー/交響曲第5番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1952年3月2日 カーネギーホール
 サン=サーンス/交響曲第2番
 チャイコフスキー/交響曲第5番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1952年3月18日 ブッシュネル・メモリアル・オーディトリウム
 シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ
 サン=サーンス/交響曲第2番
 フランク/交響曲二短調
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1952年3月27・28日 カーネギーホール
 ベルリオーズ/歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲
 シェーンベルク/清められた夜
 ドヴォルザーク/チェロ協奏曲
 コダーイ/ガランタ舞曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  チェロ/レナード・ローズ

1952年3月29日 カーネギーホール
 ベルリオーズ/歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲
 ルービンスタイン/ピアノ協奏曲第4番ニ短調
 グールド/バレエ組曲「Fall River Regend」
 コダーイ/ガランタ舞曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/オスカー・レヴァント

1952年3月30日 カーネギーホール
 ベルリオーズ/歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲
 シェーンベルク/清められた夜
 ルービンスタイン/ピアノ協奏曲第4番ニ短調
 コダーイ/ガランタ舞曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/オスカー・レヴァント

1952年4月3・4日 カーネギーホール
 バッハ/ブランデンブルグ協奏曲第1番
 カサドシュ/組曲第2番 変ロ長調(世界初演)
 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ロベール・カサドシュ

1952年4月5日 カーネギーホール
 メンデルスゾーン/八重奏曲~スケルツォ
 ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
 ハイドン/交響曲第86番
 ワーグナー/歌劇「リエンツィ」序曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ウイリアム・マッセロス

1952年4月6日 カーネギーホール
 ハイドン/交響曲第86番
 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
 ワーグナー/歌劇「リエンツィ」序曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ロベール・カサドシュ

1952年4月10・11・13・16日 カーネギーホール
 メンデルスゾーン/劇的オラトリオ「エリア」
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ソプラノ/フランシス・グリーア
  メゾ・ソプラノ/マーサ・リプトン
  テノール/リチャード・タッカー
  バス=バリトン/デジレ・リゲティ
  合唱/ウェストミンスター合唱団(合唱指揮/ジョン・フィンリー)

1952年4月17・18日 カーネギーホール
 ヘンデル/オルガン協奏曲第3番ト短調 作品4
 ブラームス/交響曲第3番
 シマノフスキ/ピアノと管弦楽のための協奏交響曲
 リスト/ピアノ協奏曲第1番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  オルガン/エドゥアルト・ニース=ベルガー
  ピアノ/アルトゥール・ルビンステイン

1952年4月19日 RPIフィールド・ホテル
 クープラン=ミヨー/前奏曲とアレグロ
 フランク/交響曲 ニ短調
 コダーイ/ガランタ舞曲
 ストラヴィンスキー/バレエ「ペトルーシュカ」組曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1952年4月20日 カーネギーホール
 ブラームス/交響曲第3番
 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/アルトゥール・ルビンステイン

          **********

1月31日のクープランは、フランソワ・クープランの4声のソナタ集「スルタン妃」から2曲をミヨーがオーケストレーションしたもの。ミトロプーロスはこの作品もミネアポリス交響楽団とアメリカ・コロンビアにSP録音(12161 D)していました。

同日に演奏されたキルヒナー Leon Kirchner (1919- ) はニューヨークのブルックリンに生まれたアメリカの作曲家、ピアニストにして指揮者。ベルクやシェーンベルクの影響を受けながら、12音技法は使っていません。

2月7日のクラップ Clapp については不明。

シーズン後半の最大の聴きものは、2月21日から3日間に亘って演奏されたオルフェオでしょう。レスピーギのオーケストレーションが存在することも知りませんでしたが、どのようなものか、是非聴いてみたいと思います。

3月29日に演奏されたグールドのバレエは、1947年の作品。この日演奏された組曲は翌1948年に編まれたものですが、現在取り上げられるのは1961年になって再度編纂されたもののようです(1961年版は6曲からなり、チャペル社から出版されています)。

4月3・4日は正にカサドシュ・デイ。名ピアニスト・カサドシュ Robert Casadesus (1899-1972) はピアノだけでなく、作曲家としても高名で、2台や3台のピアノのための協奏曲のほか、交響曲は7曲も書いています。
世界初演された第2組曲は、後半で自身がソロを務めたブラームスの協奏曲と同じ調性であるところがミソ。最初から意識して構成されたプログラムでしょうか。

 

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