ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル(22)

ニューヨーク・フィルの第113回シーズンの後半です。

1955年2月10・11日 カーネギーホール
 チマローザ/歌劇「古代ローマ狂信者」序曲
 ルーセル/交響曲第3番
 ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/マイラ・ヘス

1955年2月13日 カーネギーホール
 チマローザ/歌劇「古代ローマ狂信者」序曲
 ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
 ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
 ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/マイラ・ヘス

1955年2月17・18日 カーネギーホール
 メンデルスゾーン/歌劇「カマチョの結婚」序曲
 メニン/交響曲第6番
 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ルドルフ・ゼルキン

1955年2月19日 カーネギーホール
 シューマン/交響曲第2番
 シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
 グールド/管弦楽のためのショー・ピース
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジョン・コリリアーノ

1955年2月20日 カーネギーホール
 メニン/交響曲第6番
 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
 グールド/管弦楽のためのショー・ピース
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ピアノ/ルドルフ・ゼルキン

1955年2月24・25日 カーネギーホール
 ラフマニノフ/ヴォーカリーズ
 バルトーク/ヴァイオリン協奏曲第2番
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ユーディ・メニューイン

1955年2月26日 カーネギーホール
 ミヨー/プロヴァンス組曲
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
 ガブロ/「静かな主題で」(世界初演)
 プロコフィエフ/スキタイ組曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ユーディ・メニューイン

1955年2月27日 カーネギーホール
 ラフマニノフ/ヴォーカリーズ
 プロコフィエフ/スキタイ組曲
 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
 ミヨー/プロヴァンス組曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ユーディ・メニューイン

1955年3月30日 リヴァーサイド教会
 ウォルトン/ファンファーレ
 ウィドール/交響曲第6番~アレグロ・モデラート
 バッハ/オルガン協奏曲第1番二長調
 ハンソン/オルガン、弦楽合奏とハープのための協奏曲
 ソワービー/中世の詩
 ヨンゲン/協奏的交響曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  オルガン/ヴァージル・フォックス

1955年3月31日、4月1日 カーネギーホール
 ミヨー/プロヴァンス組曲
 リーバーマン/ジャズバンドと交響管弦楽のための協奏曲
 ベートーヴェン/交響曲第3番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ジャズバンド/Sauter-Finegan Orchestra

1955年4月2日 カーネギーホール
 ラドミロー/Variations sur des Airs de Biniou
 ルーセル/交響曲第3番
 ショーソン/ヴァイオリンと管弦楽のための「詩曲」
 ラロ/スペイン交響曲
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ

1955年4月3日 カーネギーホール
 ラドミロー/Variations sur des Airs de Biniou
 ルーセル/交響曲第3番
 ラロ/スペイン交響曲
 シャブリエ/歌劇「いやいやながらの王様」~祝典ポロネーズ
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ヴァイオリン/ジノ・フランチェスカッティ

1955年4月7・8日 カーネギーホール
 グールド/管弦楽のためのショー・ピース
 マーラー/交響曲第6番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1955年4月9日 カーネギーホール
 ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
 コルテス/聖なる交響曲
 スカルコッタス/ギリシャ舞曲集
 ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1955年4月10日 カーネギーホール
 ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
 マーラー/交響曲第6番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス

1955年4月14・15・17日 カーネギーホール
 メイロヴィッツ/復活のカンタータ「The Glory Around His Head」(世界初演)
 ベートーヴェン/交響曲第9番
  指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
  ソプラノ/フランシス・イーンド
  メゾ・ソプラノ/マーサ・リブトン
  テノール/デヴィッド・ロイド
  バリトン/マック・ハレル
  合唱/ウェストミンスター合唱団(指揮/ジョン・フィンレー・ウィリアムソン)

          **********

2月10日のチマローザは、「Il Fanatico per gli Antichi Romani」という歌劇の序曲。タイトルの正式和訳が判らないのでこうしておきました。チマローザはオペラを76曲も作曲していますが、このタイトルは主要作品表には載っていません。

2月17日のメニン Peter Mennin (1923-1983) は、ペンシルバニア州エリーに生まれ、ニューヨークで没したアメリカの作曲家。当時はジュリアードの作曲科教授でした。交響曲は全部で9曲。第6番は3管編成の作品で3楽章からなっています。出版はカール・フィッシャーから。

2月26日のガブロ Kenneth Gaburo (1926-1993) は、ニュージャージー州サマーヴィルに生まれ、アイオワで没したアメリカの作曲家。むしろ教師として高名だったようです。電子音楽やセリーを用いて作曲、この時世界初演された作品は「On a Quiet Theme」というタイトル。

3月30日は教会での特別演奏会。オルガンを用いた作品を中心にしていますが、ウィドールはオルガンのみの作品だと思います。またバッハの協奏曲の正体も不明。調性から考えてクラヴィア協奏曲第1番のオルガン版かも知れません。
ソワービー Sowerby という作曲家も不明ですが、ナクソスのアメリカン・クラシック・シリーズに Leo Sowerby 作品集というタイトルがあり、これがオルガンと管弦楽の作品集となっていますから、多分この人でしょう。

4月2日のラドミロー Paul Ladmirault という作曲家も良く判りません。名前からするとフランス人のようですが、海外のCD屋さんのサイトには作品集もあるようなので、知らないのは私だけかもしれません。作品のタイトルにある Biniou はブルターニュ地方に伝わるバグパイプの一種だそうですから、「ビニウの旋律による変奏曲」とでも訳すのでしょうか。

4月9日のコルテス Cortez も難物です。パヴァロッティのアルバムの中に Quirino Mendoza y Cortez という人の歌があるようですが、これでしょうか? ほとんどお手上げ状態。作品のタイトルは「Sinfonia Sacra」。

4月14日に第9と共に演奏されたのが世界初演となったメイロヴィッツ、この名前の作曲家は二人いますが、多分こっちですよ ↓ シャーマー社が版権を持っている作曲家。
これ以上詳しく知りたい人は、自分で勝手に調べるように。

http://www.schirmer.com/default.aspx?TabId=2419&State_2872=2&composerId_2872=1049

以上、このシーズンは知られざる作曲家特集という感じがします。調べる小生も疲れました。それにしてもミトロプーロスは何と言う指揮者でしょうか。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください