ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル(35)
ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィルのプログラム紹介も、遂に最終回です。
ミトロプーロスは第115シーズンを以ってニューヨーク・フィルの音楽監督を辞任し、第116シーズンはバーンスタインの補佐のような形で首席指揮者の地位にありました。
このあとミトロプーロスは、第118シーズンで4種類のプログラムを持って客演したのが最後の指揮台です。今回はその最後のプログラムを取り上げましょう。
1959年12月31日、1960年1月1・2・3日 カーネギーホール
ベートーヴェン/大フーガ
マーラー/交響曲第5番
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
1960年1月7・8・9・10日 カーネギーホール
ブリス/ピアノ協奏曲
マーラー/交響曲第1番
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/ジーナ・バッカウアー
1960年1月14・15・16・17日 カーネギーホール
マーラー/交響曲第10番~アダージョ
シュラー/スペクトラ(世界初演)
リスト/ピアノ協奏曲第1番
リスト/メフィスト・ワルツ
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
ピアノ/デヴィッド・バー=イラン
1960年1月21・22・23・24日 カーネギーホール
ウェーベルン/管弦楽のためのパッサカリア
マーラー/交響曲第9番
指揮/ディミトリ・ミトロプーロス
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バーンスタインが音楽監督に就任してから変ったのは、原則として定期の4日間を同じプログラムで通すこと。ミトロプーロスが客演した4回の演奏会も、4日間全て同じプログラム編成でした。
全ての会にマーラーが取り上げられていますが、1960年はマーラー生誕100年に当っていたからです。マーラーは単に大作曲家というに留まらず、ニューヨーク・フィルの音楽監督を務めていた指揮者。
このシーズンは他に第2と第4、大地の歌も演奏されています。第2と第4はバーンスタインの指揮、そして大地の歌はブルーノ・ワルターの棒です。何と言う豪華指揮者陣!!
当時は未だマーラー作品は一般的ではなく、第5交響曲は第3楽章の後で休憩が入り、第9でも第2楽章と第3楽章の間に休憩を挟んでの演奏だった、と記録されています。
ミトロプーロスのニューヨークとの惜別はマーラーの第9でしたが、近年の流行はここにルーツがあったようですね。(もちろんウィーンでのワルターも)
ミトロプーロスのニューヨークでの最後の世界初演曲はシュラー作品。シュラーについては本シリーズ(28)で取り上げていますから、そちらを参照してください。
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