オオキバナカタバミ

春に花を付ける野草を続けたいのですが、その前に一つ気になるものを取り上げます。それがオオキバナカタバミ。

未だ肝心のカタバミを紹介していませんが、未だ寒い時期から大きな黄色い花が目立っていたのがこれ。
葉の形からカタバミの一種であることは間違いないでしょう。如何にも帰化植物という顔つきで、今回初めて名前を調べてみました。

私が子供の頃は、東京では普通のカタバミが圧倒的に多く、こんな大型で鮮やかな黄色のカタバミはほとんど見なかったと思います。
それが最近は何処にでも見られるようになってきて、明らかに野生化、雑草化の傾向が著しいように思いますね。

原産は南アフリカのケープタウン周辺。日本に入ってきたのは明治の中頃、観賞用としてだったそうです。
それが帰化状態になっているのが確認されたのが1961年の鹿児島。以来、西日本から次第に野生化して現在に至っています。
手元にある昭和59年刊の図鑑には“西日本に野生化”と記されていますが、現在は東京中に蔓延っているのが現状。あ、もちろん観賞用に植えているお宅もありますがね。

区別は簡単で、まず大きいこと。次に花を付ける茎がやたらに長いこと。決定的なのは葉に茶色の斑点があることで、花が咲いていなくとも区別できます。
各種カタバミに共通して、早朝や雨降りの時は花が閉ざされていて、陽が高くなると大きな五弁花を堂々と開花させます。

図鑑には花期が4月から5月と書かれていますが、私の観察では少なくとも2月頃から咲き出して現在でも健在。本来寒さに強い植物なのか、全体的に言えば日本が暖冬傾向にあるためか。

学名は Oxalis pes-caprae オキサリス・ペス-カプラエ。属名オキサリスは蓚酸(しゅうさん)の意味で、カタバミ科の植物はどれも噛むと酸味が感じられます。蓚酸が含まれているからですね。

種名は pes が「足」、caprae は「雌ヤギ」のこと。オオキバナカタバミの何かが山羊の足に似ているからの命名でしょうが、何か、については不明。私の想像では、花を付ける茎が根元で何本にも分かれ、そのゴツゴツした茎本の形ではないでしょうか。信用しないように。

 

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