強者弱者(163)

秋の七草

 秋草に桔梗、かる萱、女郎花、葛、尾花、われもかう、萩、ふぢばかまなどあり。とりどりの風情はあれど、野分に伏しまどひ、繚乱として咲き出でたるをよしとす。何れも色彩を主とせず、情調を尚ぶものなり。

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今年は未だ猛暑が続いていますが、例年なら七草が話題になる季節です。「春の七草」 「秋の七草」がありますが、ただ「七草」と言えば秋の七草を指すようです。

秋の七草は、もちろん山上憶良が詠んだ2首が由来とされていますね。万葉集の1537と1538。
特に1538の “萩の花 尾花葛花なでしこの花 女郎花また藤袴 朝がほの花” の七種を言いますが、夫々が現在のどの種類に当たるかは、多少異論があるようです。

現に私が子供の頃は、“萩尾花 桔梗刈萱女郎花 葛藤袴” と教わりました。
秀湖の一文には八種が挙げられていますが、「われもかう」(吾亦紅)を加えるのは稀なように思います。
また、憶良の「朝がほ」も色々説があるようですが、これは現在の桔梗であるというのが通説のようです。

刈萱については明日取り上げる予定。

「野分」(のわき)は、もちろん台風の古語。「繚乱」(りょうらん)は百花繚乱と使われるように、花が入り乱れて咲く様子です。最近話題になっている「生物多様性」ということでしょうか。

秋の七草は、主に食べることを目的とする春の七草と違い、情緒を楽しむもの。その色彩も日本独特の地味な花が好まれるのが特徴です。

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