日曜日はカナダの日?

昨日のアメリカ、Gレースはガルフストリーム・パーク競馬場の一鞍だけです。カナディアン・ターフ・ハンディキャップ。4歳上、1マイルの芝コースで行われるGⅢ戦。

フロリダで行われるのに何故カナダかというと、こういうことだそうです。
そもそもカナダが現在の主権国家になったのは比較的最近のことで、1982年。元々は植民地の共同体であったこの地区に、イギリスからの独立を目指す運動が興ったのが1867年のこと。
カナダは実に、115年という長い歳月を掛けて完全な独立国家になったのですねぇ~。

さてカナダは冬が厳しく、カナダ国民はその間、暖かいフロリダで過ごす習慣がありました。そのフロリダを代表するガルフストリーム競馬場で、カナダ独立の出発点となった1867年の百年祭を祝うべく創設されたのが、カナディアン・ターフ・ハンディキャップなのです。
このレースも1967年の創設以来様々に条件が変更されてきましたが、距離が1マイルに短縮(それまでは1700メートル)されたのは2009年のこと。
1991年には、前年のカナダの三冠馬で同国の年度代表馬にも選出されたイズヴェスチャ Izvestia がフロリダで冬を過ごし、レース名に相応しくこのレースを制して当レースの歴史に花を添えました。

今年の勝馬はリトル・マイク Little Mike 。10頭立て。1番人気は芝で5連勝中のヤンキー・フォーチュン Yankee Fortune でしたが、速いペースで先行し、そのまま見事な逃げ切り勝ち。2着に追い込んだソサエティーズ・チェアマン Society’s Chairman に1馬身半差。
この日3番人気だったリトル・マイクは、1月9日のフォート・ラウダーデール・ステークス(同じガルフストリームの芝GⅢ)も同様に逃げ切っていました。その後転厩して臨んだガルフストリーム・ターフ・ハンデ(GⅠ)は逃げてバテ、6着敗退。今回は距離が短くなったのが勝因でしょうか。
この馬で初勝利を飾った調教師はデール・ロマンス、2005年のドバイ・ワールドカップをロージズ・イン・メイ Roses in May で制した方ですね。勝利騎手は前々走でも手綱を取ったジョー・ブラヴォーです。

≪今日のポイント≫
今日は特に取り上げるほどの話題もないので、ロマンス調教師 Dale Romans の名前を有名にしたロージズ・イン・メイのことに触れましょうか。
Roses in May は古馬になって急成長し、4歳の時にGⅠのホイットニー・ハンデなどGレースに3勝、その年のブリーダーズカップ・クラシックでも2着と好走しました。そして5歳の初め、以前にも紹介したドン・ハンデ(2着)を足がかりにドバイ・ワールド・カップで頂点に立ちます。この時騎乗したのは、昨日も紹介したジョン・ヴェラスケス。
残念ながら8月に故障を発生して引退、我が国に輸入され(ワールドカップの後で岡田繁幸氏が購入)、新冠のビッグレッドファームで種牡馬生活に入りました。

ロージズ・イン・メイはデヴィルズ・バグ Devil’s Bag を経てサンデー・サイレンスと同じヘイロー Halo のサイヤーラインに至る血統。当然ながらサンデー・サイレンスの後継馬としての期待があるわけですね。
産駒は去年のクラシック世代が最初で、今年は2年目。去年はカーネーションカップに勝ったブーケドロゼブルー、特別に2勝したドリームバレンチノ、習志野特別に勝ったコスモラピュタが出た程度。一昨日小倉で行われた沈丁花賞に勝ったスマートリブレが、2年目の世代の代表でしょうか。
今のところは期待に反した成績ですが、ロマンス調教師の思いも合わせて今後に注目しましょう。

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