ドンカスター・セントレジャー開催

「今日も朝から豪雨」、というタイトルにしようかと思ったけれど、競馬ネタです。
朝の5時前、夜空を驚かすティンパニ3連打で目が醒めてしまいました。従って眠い・・・。

ところで今日(9月12日)から4日間、イギリス北部のドンカスター競馬場でセントレジャー・ミーティングが開催されます。
文字通り、世界最古のクラシック・レースであるセントレジャーを頂点とする開催であります。
ところがセントレジャー、最近は人気が無くなりましたね。やはり長距離が嫌われるんでしょう。1マイル6ハロン120何ヤードだったっけ。メートル法なら3000メートルにチョッと足りない距離。

今でもそうですが、5月の2000ギニー、6月のダービーと併せて「三冠」レースとされています。昔はダービーに勝てば、次の目標はセントレジャーでした。ところが昨今はダービー馬はほとんどすべて、10月初めの凱旋門賞に目標を定めてしまいます。時期的にトライアルとして使えなくもないのですが、やはり長距離を使うのは不利、必然的にセントレジャーは避けることになります。
最後の三冠馬ニジンスキー(1970年度)は凱旋門賞にも挑戦しましたが、ササファラに惜敗。敗因の一つにセントレジャーからの間隔が短かったことが挙げられていましたっけ。

嫌われる理由、近代競馬のスピード化が挙げられるでしょう。これにより長距離レースの意義や興味が急速に失われてしまった。
経済的側面も大きいですね。ステイヤー(長距離馬)の種牡馬としての価値はウナギ下がりですな。そんな言葉ないか。
生産界の関心は馬のスピードに傾き、スタミナは嫌われる風潮があります。特に最大の馬産国であるアメリカに著しい。ですから、セントレジャーに勝つことは、“死の口づけ”とまで酷いことを言われる始末です。

しかし翻って、サラブレッドの進化は、“スピードとスタミナを兼ね備えた名馬”を生産するという錦の御旗があったはず。スタミナを忘れた現代のサラブレッドが、質において19世紀後半の馬より劣る、というのは私の持論であります。

それはさておき、昔のセントレジャー人気は大したものでした。
クリスティーの名作に「ABC殺人事件」があります。アルファベットの頭文字順に殺人現場が選ばれるというストーリー。詳しいことは本を読んでね。
で、最後の舞台Dはドンカスター Doncaster ですよ。それもセントレジャー当日。競馬場は人でごった返し、警備もままならない。そんな舞台としてセントレジャー競走が登場するんですね。
クリスティーの設定は1930年代の何年か忘れましたが、本を読んでいて調べたら、ストーリーの通り、その年のセントレジャーは丁度その日に行われていました。時代考証、っていうんでしょうか。流石にミステリー作家ですね。

ということで話は横道に逸れましたが、セントレジャーは最終日、土曜日に行われます。今年は今の所14頭が登録していますが、半分の7頭はオブライエン厩舎。エース格のソルジャー・オブ・フォーチュン(愛ダービーの覇者)は登録だけ、凱旋門を目指してパリのトライアル戦に出るようです。
初日の水曜日はパターン・レースはありません。木曜と金曜が二つ、土曜にクラシックを含めて三レースが組まれています。結果はおいおい報告、ということで。

 

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