ブルックリンの圧勝劇

三冠レースの最終便ベルモント・ステークスを今日(6月9日)に控え、昨日はベルモント競馬場で前夜祭とも言えるG戦2鞍が行われました。かつてはGⅠ最高位に格付けされていたブルックリン・ハンデがメイン、翌日のベルモント・ステークスと合わせて1マイル半のダブルを形成するプログラムです。

その前にベルモント・パーク競馬場の第9レースとして行われたのがジャイプル・ステークス Jaipur S (芝GⅢ、3歳上、7ハロン)。当初登録は9頭、内1頭はコースがダートに変更された場合のみの登録でした。雨は降らず予定通り firm の芝コースで行われ、最終的には3頭が取り消して6頭立て。
人気になったのは2頭、去年のジャイプルに勝ったライト・ワン Right One と、前走キーンランドのコモンウェルス・ステークス(GⅡ)でそのライト・ワン(3着)に先着(2着)したベルジュラック Bergerac でした。前者が9対5の2番人気、後者が8対5の1番人気。
レースは最低人気(10対1)のイールド・ボギー Yield Bogey の逃げ。ベルジュラックは3番手で、ライト・ワンは最後方から進みます。直線、イールド・ボギーが内ラチで逃げ粘るところ、後方2番手を進んだ3番人気(5対1)のアップグレード Upgrade がコース中程から鋭く伸びて快勝。ライト・ワンも大外から追い上げましたが4分の3馬身差届かず2着、更に2馬身半差でイールド・ボギーが3着に逃げ粘りました。ベルジュラックは4着と不発。去年の1・2着が、今年は2・3着となったジャイプルです。
ミシェル・ニヘイ師が調教、ジョン・ヴェラスケス(同馬には初騎乗)が騎乗したアップグレードは、前走ベルモントのフォート・マーシー・ステークス(芝GⅢ、5月5日)では逃げて5着にバテていた馬、これがステークス初勝利となりました。

続いて第10レース、本日のメイン、ブルックリン・ハンデキャップ Brooklyn H (GⅡ、3歳上、12ハロン)。fast のコース、1頭が取り消して11頭立て。前年の勝馬バードラン Birdrun 、2009年の勝者エルダーファー Eldaafer らを差し置いて2対1の1番人気に支持されたのは、121ポンドのトップ・ウエイトを背負ったリディームド Redeemed でした。ベルモントのスペシャリスト的存在で、このコースは4戦3勝、その堅実さが買われたのでしょうか。
レースはスタートで2番人気(5対2)バードランが躓いて出遅れるアクシデント。ラジーヴ・マラー騎手が落馬寸前で踏み堪えましたが、少なからず馬には影響があったでしょう。大外10番枠スタートの本命リディームドが内に切れ込みながら先頭に立っての逃げ作戦。出遅れたバードランはやや強引に順位を上げ、第2コーナーを回った地点では2番手にまで押し上げます。
先手を奪ったリディームドは快調に飛ばしましたが、バードランは一旦2番手に上がったもののズルズルと後退、替ってこのレースの常連ながら今回は人気を落としていた(26対1)のエルダーファーが2番手に進出して本命馬を追います。しかし直線、逃げ馬と後続馬の差は開く一方、最後は2着以下に10馬身もの大差を付けてリディームドの圧勝に終わりました。2着はバテながらもエルダーファーが死守、2馬身4分の1差3着にはアーサーズ・テール Arthur’s Tale が食い込み、完全に消耗したバードランは9着でゴール板を通過しました。
2着に健闘したエルダーファーは2009年の勝馬ですが、2010年は3着、去年が4着と4年連続で1着から4着まで全てを経験するという珍しい記録に。
勝ったリディームドはリチャード・ダトロウ厩舎、ラモン・ドミンゲス騎乗。去年はオクラホマ・ダービー(リステッド)とディスカヴァリー・ハンデ(GⅢ)に勝ち、前走は芝からダートに変更になった泥んこの一般ステークス(ミレシアス・ステークス、5月3日、ベルモント)を大差(9馬身4分の3差)で圧勝してここに臨んでいました。もちろんこの距離は初体験でしたが、アメリカでは1マイル半戦は極めて希、長距離の経験ではどの馬も同じ条件と言えるでしょう。

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1件の返信

  1. まとめtyaiました【ブルックリンの圧勝劇】

    三冠レースの最終便ベルモント・ステークスを今日(6月9日)に控え、昨日はベルモント競馬場で前夜祭とも言えるG戦2鞍が行われました。かつてはGⅠ最高位に格付けされていたブル

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