出走条件が変わったラ・カニャーダ
1月第3週のアメリカ競馬は、月曜日がマーチン・ルーサー・キング牧師誕生日の祝日とあって3連休。日曜日にはG戦がないので、土曜と月曜の競馬日記となります。
その初日、1月16日はルイジアナとカリフォルニアで合計3鞍のG戦。フェア・グラウンズ競馬場で最初に行われたカーネル・E・R・ブラッドリー・ハンデキャップ Col. E.R.Bradley H (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)は、good のやや緩い馬場に3頭が取り消して9頭立て。このコースで既にG戦を2勝しているチョコレート・ライド Chocolate Ride が4対5の断然1番人気に支持されていました。
これまで同様スタートから先手を取ったチョコレート・ライド、2番人気(7対2)のスカイ・フライト Sky Flight の追走を文句無く振り切ると、そのまま4番人気(8対1)ローマン・アプルーヴァル Roman Approval の追い込みを4分の3馬身抑えて又しても逃げ切り勝ちです。半馬身差で7番人気(23対1)のブラープ Blarp が3着に入り、3番人気(6対1)で去年の勝馬ストリング・キング String King は5着に終わっています。
ブラッド・コックス厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のチョコレート・ライドは、今年6歳になったせん馬で、去年は同じフェア・グラウンズ競馬場で2月にフェア・グラウンズ・ハンデ(芝GⅢ)、3月にもメルヴィン・H・ミニュッツ・ジュニア・メモリアル(芝GⅡ)を何れも逃げ切って連勝しており、これがG戦3勝目。去年はケンタッキー・ダービー当日のターフ・クラシック(芝GⅠ)で8着敗退のあと暫く休養し、11月27日にここフェア・グラウンズで同じ距離のアローワンス戦を3馬身差で快勝。通算成績は15戦6勝2着2回3着2回となりました。
フェア・グラウンズのもう一鞍は、ケンタッキー・ダービーへのポイント対象(1着から4着までは夫々10-4-2-1ポイント)となるルコント・ステークス LeComte S (GⅢ、3歳、8ハロン70ヤード)。15頭の登録がありましたが、事前に5頭が取り消し、更にゲートインのトラブルからドルファス Dolphus も発走除外となって9頭立て。メインコースは fast で、前走11月のケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅢ)で3着したモー・トム Mo Tom が2対1の1番人気。
レースは6番人気(11対1)のジー・ロイヤル Z Royal が逃げましたが、前半は後方で待機したモー・トムが直線では外を通り、先に抜け出した4番人気(5対1)のトムズ・レディー Tom’s Ready を更に外から2馬身4分の1差し切って人気に応えました。更に4分の3馬身差で2番人気(5対2)のアンクル・ウォルター Uncle Walter が3着。
トーマス・エイモス厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のモー・トムは、去年のリーディング・ファースト・シーズン・サイアーとなったアンクル・モー Uncle Mo 産駒で(3着のアンクル・ウォルターもアンクル・モー産駒)、これで5戦3勝3着2回。前走G戦3着の前は一般ステークス(ストリート・センス・ステークス)に勝っており、ステークスは2勝目でG戦は初勝利。姉にBCジュヴェナイル・フィリーズ2着のボーティシャン Beautician がおり、血統的な背景も筋が通っています。
一方、サンタ・アニタ競馬場からはラ・カニャーダ・ステークス La Canada S (GⅡ、4歳上牝、8.5ハロン)。去年までは4歳牝馬に限定されてきましたが、今年から年齢制限が外されています。fast の馬場に2頭が取り消して5頭立て。前走アケダクトでゴー・フォー・ワンド・ステークス(GⅢ)に勝ったタリス Taris がイーヴンの1番人気。
先ず4番人気(8対1)のイリュミナント Illuminant が先手を取って逃げましたが、最低人気(35対1)オスカー・パーティー Oscar Party のゴンザレス騎手が鐙を外して脱落するアクシデント。ここで事実上4頭立てのレースに変わってしまいます。2番手を追走していた2番人気(9対5)のヤヒルワ Yahilwa が逃げ馬に競り掛けるのとほぼ同時、3番手に控えていたタリスが外から前の2頭を交わすと、後方から追い上げる3番人気(7対2)のバードアットザワイアー Birdatthewire に5馬身4分の1差を付ける大楽勝。1馬身4分の1差3着はヤヒルワが競り勝っていました。
サイモン・キャラガン厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のタリスは、クールモア・グループが所有する5歳馬で、もちろんこのレースを制した最初の5歳馬となりました。2014年からアメリカで走ってきた同馬にとって課題はコーナーを二度回る距離。2014年に経験したハネムーン・ハンデ(GⅢ)は6着と凡走し、それが彼女が掲示板に載らなかった唯一の敗戦でした。これまで3歳時にレイヴン・ラン・ステークス(GⅡ、7ハロン)、去年はランチョ・ベルナルディーノ・ハンデ(GⅢ、6.5ハロン)とゴー・フォー・ワンド(1マイル戦ながらコーナーは第4コーナーのみ)に勝ちましたが、今回4勝目となるG戦で初めて二度のコーナーを克服しました。キャラガン師はレース前、ここで勝てるなら3月19日のサンタ・マルガリータ(GⅠ)挑戦と明言していましたから、次走は二度のコーナーを回ってGⅠ初制覇を目指すことになります。
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