スペインが戴冠

11月8日、トゥールーズ競馬場でフィーユ・ド・レール賞 Prix Fille de l’Air (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)が行われました。仏平場シーズンの最後から2番目に行われるG戦で、当初はメゾン=ラフィット競馬場で創設。その後サン=クルーなどに移管され、1997年から現在のトゥールーズで施行されるようになり、現在に至っています。例年はアーミスティス・デイ(第1次世界大戦の終戦記念日、11月11日)に行われる一戦ですが、今年は祝日が日曜日に当たり、その日はサン=クルーで最後のG戦が予定されているため、先行して8日に移行されたものと思われます。

馬場は soft 、11頭が出走してきました。23対10の1番人気に支持されたのは、前走シャンティーのリステッド戦に勝ったバイノ・ロック Baino Rock 。ジャン=クロード・ルジェ厩舎の3歳馬で、ここまで6戦3勝2着2回3着1回と、4着以下の無い堅実さが買われていました。続いてはウェルザイマー兄弟のバッサンバ Bassamba 、前走アンドレ・バボアン賞(GⅢ)で3着したこれまた3歳馬で、33対10の2番人気。
逃げたモニッカー Monicker を交わし、人気の一角バッサンバが先頭に立って直線に入りましたが、バッサンバは伸び脚なく期待外れの7着惨敗。替って本命バイノ・ロックが先頭に上がりましたが、最後の1ハロンで鋭く伸びたのが後方に待機した7番人気(164対10)の伏兵カサーカ Casaca 。バイノ・ロックに1馬身4分の3差を付けていましたが、着差以上の内容です。首差3着に3番人気(11対2)のブラジレイラ Brasileira 。

勝ったカサーカは、スペインでフアン・マニュエル・オソリオ師が管理する6歳牝馬。去年のフィーユ・ド・レール賞にも出走し(去年の日記参照)、28対1という人気薄で3着(首・首・頭差の接戦)しており、今回が3度目のフランス遠征でのG戦初勝利でした。
前走はスペインの大レース、ラ・ザルズエラ競馬場で行われたメモリアル・ドゥーケ・ド・トレド(2400メートル)に勝っての参戦でしたが、騎乗したジェレミー・クロッカーヴィル騎手によれば、このレースはスペイン版凱旋門賞なのだそうな。同馬はこのレースも以て引退の予定だそうです。

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