メゾン=ラフィットが終戦

イギリスとアイルランドは既に平場のG戦スケジュールを全て終えましたが、フランスは11月中旬までパターン・レースが組まれています。昨日はシーズン最後のメゾン=ラフィットとあって、イギリスやアイルランドからも多くの馬が参戦してきました。この日も馬場は heavy 。

G戦は3鞍、最初はミエスク賞(GⅢ、2歳牝、1400メートル)。8頭が出走し、英国から遠征のメロディー・オブ・ラヴ Melody of Love (アン・ダッフィールド厩舎)が23対10の1番人気、前々走エアのファース・オブ・クライド・ステークス(GⅢ)を2番人気で制し、前走ロックフェル・ステークス(GⅡ)は4着だった馬。

レースは、馬場の悪いコースでは良く見られるように二つのグループに分かれる展開。スタンド側のグループはケンシー Kensea が引っ張り、馬場中央の逃げは3番人気(6対1)のユー・ウィル・シー You Will See 。スタンド側を選んだエディー・エイハーン騎乗のメロディー・オブ・ラヴは手応え良く、楽勝かと思われましたが追って伸びず、4着に終わりました。
優勝はスタンド側の後方を進んだ2番人気(33対10)のアクアティンタ Aquatinta 。中央グループで先行したショウ・ゴーブ Show Gorb に1馬身差を付けていました。更に1馬身半差でスタンド側を先行したホーリー・ダズル Holy Dazzle 。もう1頭の英国参戦馬(デヴィッド・エヴァンス厩舎)クィーン・アギー Queen Aggie は6着に終わっています。
勝ったアクアティンタはアンリ=アレックス・パンタル厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗。メゾン=ラフィットで未勝利戦に勝ち、前走はドイツに遠征してバーデン=バーデンの一般戦で2着していた馬。

続いて今年最後のGⅡ戦となるクリテリウム・ド・メゾン=ラフィット Criterium de Maisons-Laffitte (GⅡ、3歳、1200メートル)。1頭が取り消して9頭立て。ここにも海外から3頭が挑戦し、その1頭で牝馬のヴィズトリア Viztoria (エドワード・ライナム厩舎)が13対10の1番人気。ナースの新馬戦、カラーのリステッド戦に連勝して2戦無敗、無傷の3連勝を目指します。

ソリ―・ウーマン Sorry Woman の逃げをピタリとマークしたヴィズトリア、一旦は先頭に立ったものの、内ラチ沿いに後方から追い込んだ2番人気(23対5)ペニーズ・ピクニック Penny’s Picnic の差し足に1馬身差で屈しました。3着は1馬身4分の1差でこれも英国(ジョージ・ベイカー厩舎)から参戦したブームシャッカ―ラッカー Boomshackerlacker 。アイルランド(デヴィッド・ワッチマン厩舎)から遠征して3番人気(58対10)を集めたスリー・シー・キャプテンズ Three Sea Captains は4着。
ディディエ・ギルマン厩舎、アントワーヌ・アムランが騎乗したペニーズ・ピクニックは、前走エクリプス賞(GⅢ)に続くG戦連勝。詳しくはエクリプス賞レポートで紹介しましたが、ここは予定通りのスケジュールで、来年の仏ギニー候補の足固めをした形です。ギルマン師は仏2000ギニーをティン・ホース Tin Horse (2011年)しており、2度目の戴冠を狙うでしょう。

一方2着惜敗のヴィズトリア、ここまでの2勝はいずれもキャンターで勝っていたもので、今回は初めて競馬らしい競馬を経験。ライナム師も今回の結果には失望しておらず、来年の愛1000ギニーを目指す青写真には変更がありません。

メゾン=ラフィットのシーズン最後を飾るG戦は、セーヌ・エ・オワーズ賞 Prix Seine-et-Oise (GⅢ、3歳上、1200メートル)。シーズン最後の短距離G戦とあって、6頭が英愛からフランスに向かいました。15頭立ての1番人気(2対1)は、前走アスコットでチャンピオン・スプリンターズ(GⅡ)を制したマーレク Maarek 。ここは格を一つ下げての挑戦、5ポンド重い負担重量ですが実績上位と言う評価でしょう。

これも二つのグループに分かれる展開。マーレクは、英国馬(デヴィッド・エルスワース厩舎)スイス・ドリーム Swiss Dream が逃げる外のグループの後方に付け、直線でも伸びましたが、サブラター Sabratah が引っ張ったスタンド側の中団を進んだ6番人気(128対10)のミアサン Myasun との追い比べに半馬身及ばずの2着。3着には4分の3馬身差で逃げたサブラターが粘り込みました。英国のブライアン・ミーハン厩舎、前走アベイ・ド・ロンシャン賞で4着したバレステロス Ballesteros (9対1、3番人気)は7着に終わっています。同じく遠征組(ミルトン・ブラッドリー厩舎)で2番人気(8対1)に支持されたリーガル・パレード Regal Parade も11着。
これがG戦初勝利となるミアサンは前々走ドーヴィルのハンデ戦に勝ち、前走はシャンティーのリステッド戦で2着した馬。そのシャンティーで勝ったのが、今回は3着だったサブラターです。同馬はこれまた南フランスを本拠とするクリスチャン・バイエ師の管理馬で、マクシム・グィヨンが騎乗していました。

フランスも残るはサン=クルーのクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)、トゥールーズのフィーユ・ド・レール賞(GⅢ)を残すのみになりました。

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