ロイヤル・アスコット2009千秋楽

ついこの間始まったばかりだと思ったロイヤル・アスコット、もう最終日です。あっという間の5日間。
http://gallery.sportinglife.com/Gallery_Detail/0,17732,13262_5390345,00.html
最終日の目玉はスプリントのGⅠ、ゴールデン・ジュビリーです。この日はパターン・レースは2鞍だけですが、例によってレース順に紹介しましょう。
第1レースは2歳の7ハロンによるリステッド戦、チェシャム・ステークス。17頭立て。
ゴール前、抜け出したビッグ・オーディオ Big Audio にオブライエン厩舎の1番人気エンペラー・クラウディウス Emperor Claudius が襲い掛かる展開になりましたが、写真判定の結果ビッグ・オーディオが短頭差で優勝。
勝馬の調教師はリチャード・ハノン、今開催3勝目。騎手リチャード・ヒューズは4勝目で、ムルタと並んでトップ・ジョッキーに並びました。
第2レースはハードウィック・ステークス(GⅡ、4歳上、1マイル4ハロン)、9頭立て。
今年のデットーリ騎乗では最も勝つチャンスが高いと言われたカンパノロジスト Campanologist が2対1で1番人気。
そのカンパノロジストが先頭に立って流れ込むかに見えましたが、執拗に追いすがるジミー・フォーチュン騎乗のブロンズ・キャノン Bronze Cannon が最後で半馬身捉え、逆転勝ち。8対1の人気でした。
3着は3馬身遅れてダンサント Dansant 。
調教するゴスデン師、ロイヤル・アスコットは2003年を除き1990年以来毎年のように勝馬を送り込んできましたが、今年はこれが開催初勝利となります。何とか記録も繋がりました。
ブロンズ・キヤノン、次はGⅠ制覇を目指したいところで、ドイツかイタリアへの遠征が予定に上っているようです。
第3レースはフィナーレの目玉ゴールデン・ジュビリー・ステークス(GⅠ、3歳上、6ハロン)。これもグローバル・スプリント・チャレンジの英国編、当然ながら国際的な顔ぶれが揃います。
アイルランドとイギリスの精鋭を合わせて15頭が出走。
アメリカのキャノンボール Cannonball 、オーストラリアからはセイクルド・キングダム Sacred Kingdom 、南アフリカからはジェイジェイ・ザ・ジェット・プレーン J J The Jet Plane という具合。
キャノンボールは初日のキングズ・スタンドで6着でしたね。
人気はそのジェイジェイ・ザ・ジェット・プレーンで5対2でしたが、4着惜敗。勝ったのは地元イギリス、20対1という人気の盲点だったアール・コニサー Art Connoisseur でした。
2着は首差でアメリカのキャノンボール、3着は更に2馬身半でレッスン・イン・ヒュミリティー Lesson In Humility 、33対1の大穴です。
調教師はマイケル・ベル。オークスをサリスカで制した方です。
騎手はトム・クィーリー君。これがGⅠ初勝利ですが、乗り替わりの幸運を掴みました。
アール・コニサーは本来ならスペンサーが乗るはずですが、エプサムでの騎乗停止処分のためにこの日は乗れません。
二番手の騎手はハーレイ・ターナーという女性のリーディング・ジョッキーなのですが、彼女は落馬負傷の影響でBHA(英国の競馬管轄団体)から停止勧告中とのこと。
スペンサー、ターナーにとってはアンラッキーでしたが、クィーリーは見事にこのチャンスを活かし、アール・コニサーで最後方からの追い込みを決めています。
勝ったアール・コニサーは去年のアスコットでコヴェントリーを制した馬(去年の日記参照)。その後ジムクラックで故障し2歳を終えていました。
3歳になった今シーズン、フリー・ハンデから2000ギニーを目指す計画でしたが、フリー・ハンデでこの馬がスプリンターであることが裏付けられ、以後はスプリント路線に転向した経緯があります。
今シーズンのスプリント路線での活躍が見込まれる馬でしょう。
第4レース以降は全てパターンではありません。
第4レースは3歳上、6ハロンのハンデ戦でウォーキンガム・ステークス。26頭立ての混戦、強烈な追い込みを決めたのが6対1のハイ・スタンディング High Standing です。
ウィリアム・ハッガス厩舎、ライアン・ムーアの騎乗。
第5レースは3歳上、1マイル4ハロンのハンデ戦でデューク・オブ・エディンバラ・ステークス。
こちらは17頭立てで、スタート直後にハットン・フライト Hatton Flight (ビューイック騎手)が落馬して空馬のままレースを先導する波乱の展開。
これを上手く利用したマーク・ジョンストン厩舎の2頭がワン・ツー・フィニッシュという結果です。
勝ったのはファニング騎乗のドリル・サージェント Drill Sergeant 、2着は1馬身4分の1でレコード・ブレイカー Record Breaker でした。
2009年度ロイヤル・アスコットのグランド・フィナーレは、4歳上、2マイル5ハロン159ヤードというマラソン距離で行われる条件戦。毎年ロイヤル開催はこのレースで幕が下ろされるのが恒例になっています。
10頭立てを制したのは12歳馬という大ヴェテランのカラッチオーラ Caracciola 。まだ若いものには負けぬ、という意地でしょうかね。
勝馬の調教師はニッキー・ヘンダーソン。馬主さんの解説では、この厩舎は調教師本人が来ないときに勝つというジンクスがあるようです。
騎手はエディー・エイヘム。この結果、騎手部門ではヒューズとムルタが4勝でトップ・ジョッキーに並んだようです。
トップ・トレーナーは3勝のバリー・ヒルズ。トロフィーは代理として息子のチャーリーが受け取っています。
フォト・アルバムをご覧下さい。
以上、5日間に及ぶロイヤル・アスコット・レポートでした。

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