舞踏の神化
昨日のプロムスはクラシックの演奏会としては異様な盛り上がり。前半はまだしも、後半はロイヤル・アルバート・ホール全体が踊っていました。ということで、こんなプログラム。
≪Prom 17≫
ジョン・マッケイブ/ジョイボックス Joybox(BBC委嘱作、世界初演)
ベートーヴェン/交響曲第7番
~休憩~
ファリャ/三角帽子
ラヴェル/ボレロ
BBCフィルハーモニック
指揮/ファンホ・メナ
クララ・ムーリッツ(メゾ・ソプラノ)
舞踏の神化とは、ワーグナーがベートーヴェンの第7交響曲を評した一言。説明するまでも無いでしょう。
最初の幕開けは、英国の多作家マッケイブの新作。このプログラムに相応しいノリの良い音楽です。日本のパチンコを題材にした、とかアナウンサーが言ってましたけど、あまり真剣に聞いていませんでした。ゴメン。
マッケイブについてはこちらを。
ベートーヴェンは普通の演奏。第1楽章以外は繰り返しも大幅に省略。
問題は後半。最初にメナが昨日のスペインの鉄道事故について短いスピーチ、しんみりしたムードで始まったかに見えましたが・・・。
これは普通のオーケストラ演奏会ではなく、アントニオ・マルケス・ダンス・カンパニーの踊りも加わったもの。1995年に創設された団体だそうで、要するにフラメンコ集団みたい。
ファリャはバレエ全曲が全編通して踊られます。驚いたのは第1部の終わり、練習番号46のトランペット・ソロが歌詞の付いたソプラノの歌に変えられていたこと。こんなの初めて。
バレエが終わると客席は興奮の坩堝と化しますが、未だボレロがあります。ラヴェルが始まる前にはフラメンコが10分ほど踊られた様子。何しろネット中継は音だけなので、会場の様子は踏み鳴らされる床の音で想像するしかありません。
結局ボレロも音楽プラス騒音が全てで、純粋にオーケストラ演奏だけを楽しみたい人には向かないでしょう。
終わると直ぐに最後の場面がアンコールされ、客席も手拍子と指笛の大合唱。絵があればメチャメチャ楽しいコンサートでしょうが、イギリスでは日曜日に後半だけがテレビ放映されるそうです。
残念ながら日本では視聴不可。多分クリップとしていくつかの場面は見られる、と思いますがね。
ここからジークフリートというのは、かなり落差が激しいと思いますが、ロンドン子って一体何。
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