ヴィヴァ! ヴェルディ

7月20日の≪Proms 12≫は、前日に続いてパッパーノ指揮ローマ聖チェチリア音楽院管弦楽団のコンサート。彼等の最も得意とするヴェルディ作品、生誕200年記念の一夜でもあります。

ヴェルディ/弦楽四重奏曲(カール・ヘルマン編/弦楽オーケストラ版)
ヴェルディ/アヴェ・マリア
ヴェルディ/レクイエム~リベラ・メ(オリジナル版)
     ~休憩~
ヴェルディ/4つの聖歌
 ローマ聖チェチリア音楽院管弦楽団
 指揮/サー・アントニオ・パッパーノ
 マリア・アグレスタ(ソプラノ)
 ローマ聖チェチリア音楽院合唱団

同じアニヴァーサリーのワーグナーは全曲演奏がいくつも予定されているのに対し、プロムスではヴェルディは分が悪いようですね。日本でもヴェルディを集めた演奏会が行われていますが、オペラ名曲集がレクイエムの演奏会がほとんど。プロムスの選択は流石に凝った内容になっています。

弦楽四重奏の弦楽合奏版は初めて聴きました。編曲者はカール・ヘルマンと紹介されていましたが、どういう経歴の人かは不明。合奏版は時折演奏されているそうですが、今回の版と同じかも不明。
聴いた限りでは、単に4つのパートを合奏で演奏しただけと思われます。もちろん要所にはコントラバスが追加されていました。第2楽章アンダンテの第88小節と89小節の間に若干のパウゼが入るのは、この版の指定なのかパッパーノの指示なのかも不明です。

2曲目のアヴェ・マリアは、もちろん4つの聖歌第1曲とは別のもの。ソプラノのソロとコントラバスを欠く弦楽合奏で演奏される5分程の美しい作品。

リベラ・メのオリジナル版も珍しいもので、もちろん初体験。異稿があるとは知りませんでした。
基本的な構成は現行版と同じですが、二つの点で相違があると聴きました。一つは怒りの日の冒頭が異なった形で再現されること。
もう一つは最後に登場するソプラノ・ソロの“Libera me, Domine de morte…”のレシタティーヴォが、男声合唱に置き換わっていること。

最後の名作「4つの聖歌」は、合唱団の実力が問われる極めて難しい作品。

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