オラモとパティアシュヴィリの共演
前日の第2交響曲に続いて、8月21日のプロムスもメインはエルガー作品でした。代表作のエニグマ変奏曲
≪Prom 52≫
パラム・ヴィア/Cave of Luminous Mind(BBC委嘱作、世界初演)
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
~休憩~
バントック/ケルト交響曲
エルガー/エニグマ変奏曲
BBC交響楽団
指揮/サカリ・オラモ
リサ・パティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
冒頭はBBC委嘱作の世界初演。作曲家のパラム・ヴィア Param Vir という名前は初めて耳にした人ですが、インド(デリー)で生まれた英国の作曲家だそうです。オリヴァー・ナッセンの弟子とのこと。
今回の初演作についても詳しい解説のある自身のホームページから
新作はチベット仏教の精神性に触発されたもので、20分ほどの作品。英国の作曲家故ジョナサン・ハーヴェイに捧げられたと副題に書かれています。
題名は「清祥の洞窟」とでも訳すのでしょうか、精神性の強い内容。
聴いた印象では2楽章から成るようで、簡単に言えば静的なものと動的なものが対峙されている印象。何処がチベットなのかは残念ながら聴き取れませんでした。結構現代っぽい音楽。
前半の2曲目は、日本にも度々来ている細身の女性ヴァイオリニスト、パティアシュヴィリのシベリウス。彼女が世に出たのはシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで2位になってからですから、これは名刺代わりの1曲でしょう。
指揮者のオラモとはその時にも共演していて、お互いを良く知った仲間の演奏。
アンコールは、弦楽オケと共に民謡風のメロディーが奏でられました。“グルジア出身なので”と曲目を紹介していましたので、民謡のアレンジでしょうか。題名までは聞き取れませんでした。もしかしたらCDにも録れている羊飼いの歌というものかも。
後半は今年のプロムスのテーマの一つでもあるバントックの作品。今回演奏された作品は、交響曲とは言っても2部分から成る1楽章制のもの。弦楽オケと6台のハープという変わった編成で、演奏時間は20分ほど。今回がプロムス初演だそうです。
バントックはシベリウスの友人で同時代の人ですから、プログラム前半との繋がりは極めて自然。シベリウスは、その第3交響曲をバントックに捧げてますからね。中々考え抜かれたプログラミングだと思います。
メインはエニグマ変奏曲。オラモはエルガー・メダルを受賞しているそうですから、これについては文句も無いでしょう。
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