ザ・フューグも凱旋門へ

ヨークのサマーフェスティヴァルは2日目、パターン・レースは2鞍です。馬場は good 、所により good to firm で引き続き固い状態。

2歳牝馬のラウザー・ステークス Lowther S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)は9頭立て。5対2の1番人気には2頭が並びます。1頭は前走ニューマーケットのダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ、旧チェリー・ヒントン・ステークス)に勝ったラッキー・クリステール Lucky Kristale 、もう1頭がニューバリーとニューマーケットで2戦無敗のジェイ・ワンダー J Wonder 。
しかし2頭の決着は実績馬に軍配。スタンド側の最後方から鋭く伸びたラッキー・クリステールが、前走でも3着に退けたクィーン・カトリーヌ Queen Catrine に1馬身半差を付ける快勝。GⅡ勝のペナルティー3ポンドを背負っての完勝だけに、勝馬の実力は本物でしょう。頭差で3番人気(9対2)のウインド・ファイア Wind Fire が3着、ジェイ・ワンダーは2番手を進むも伸び脚を欠いて7着敗退に終わりました。

ジョージ・マーガーソン厩舎、前走に続いてトム・クィーリー騎乗のラッキー・クリステールは、これで5戦4勝。このあとはチーヴリー・パーク・ステークスでGⅠ制覇を目指すしかないでしょう。陣営もその意向を言明しています。1000ギニーのオッズは更に上がって16対1に。

そしてヨークシャー・オークス Yorkshir Oaks (GⅠ、3歳上牝、1マイル4ハロン)。レディー・セシル厩舎が有力馬のワイルド・ココ Wild Coco を取り消したため7頭立て。3頭の古馬に3歳馬4頭が挑む構図です。2対1の1番人気は、古馬の筆頭格ザ・フューグ The Fugue 。3歳時にナッソー・ステークスに勝ったGⅠ馬、今期はプリンス・オブ・ウェールズ・ステークス3着、エクリプス・ステークス7着といずれも牡馬相手のGⅠ戦に使われてきましたが、同じ牝馬相手なら実力ナンバー・ワンという評価でしょう。

レースは愛オークス4着馬でボルジャー厩舎から遠征してきたシンティルラ Scintillula が強いペースでの逃げ、これを愛オークス2着で前走ギヴ・サンクス・ステークス(GⅢ)に勝ったヴィーナス・ド・ミロ Venus de Milo が交わして一旦先頭に立ちましたが、4番手を追走したザ・フューグが並ぶ間も無く捉えてヴィーナスに4馬身差を付ける圧勝。牝馬には敵がいないことを強く印象付けました。3着は更に3馬身4分の1差でオークスと独オークス共に2着のシークレット・ジェスチャー Secret Gesture 。4着にシンティルラが粘り、3歳勢をザ・フューグが纏めて一掃した内容です。
ジョン・ゴスデン厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗のザ・フューグは、今期未だ3戦目でのGⅠ2勝目。このあと同じ牝馬相手のヴェルメイユ賞を使い、再び凱旋門賞で牡馬に挑む計画。更には去年も遠征して3着だったBCを狙う予定ですが、去年とは違ってやはり牡馬を相手にBCターフが目標。あくまでも強気な陣営です。
凱旋門賞のオッズは12対1と、有力馬の陣営にとっては何とも不気味な存在に上がってきました。

昨日はアイルランドのティッペラリー競馬場でもG戦。フェアリー・ブリッジ・ステークス Fairy Bridge S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン100ヤード)は、good 、所により good to firm の馬場に10頭立て。2対1の1番人気に支持されたのは、豪州のGⅠ馬で今年からエイダン・オブライエン厩舎に転じたシー・サイレン Sea Siren 。前走初めてヨーロッパのG戦(フェニックス・スプリント・ハンデ、GⅢ)に挑んで3着と期待を裏切ったものの、未だそのスピードには信頼が寄せられていました。鞍上はジョセフ・オブライエン、前日はヨーク遠征でGⅠを制しましたが、この日はヴィーナス・ド・ミロはライアン・ムーアに任せて地元に留まっての競馬。ヨークの8ストーン11ポンドはジョセフには軽過ぎ、こちらの9ストーン5ポンドを選ばざるを得ないという事情でもありますが・・・。

ヒント・オブ・ア・タイム Hint of A Time とワン・スピリット One Spirit の逃げ、5番手追走のシー・サイレンも追い上げましたが、これに先んじて3番手から伸びた2番人気(9対4)フィエソラーナ Fiesolana を1馬身4分の1差捉え切れず2着止まり。更に半馬身差でラスメヤー Rasmeyaa が3着でした。
ウイリアム・マクリーリー厩舎、ウイリアム・リー騎乗のフィエソラーナは、前走9ハロンのキルボイ・エステート・ステークス(GⅡ)は距離が長く6着敗退に終わりましたが、今期はバリオーガン・ステークス、ブラウンスタウン・ステークスに続いて3つ目のGⅢ勝ち。1マイルまでという条件なら侮れないスピードの持ち主と言えるでしょう。

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