現代音楽の使徒、マルッキ登場
五輪も終わり、プムムスも中間点を過ぎました。8月13日の公演から。
≪Prom 42≫
プロコフィエフ/「ロメオとジュリエット」バレエ組曲第1番
オルガ・ノイヴィルト/Remnants of Songs…an Amphigony(英国初演)
~休憩~
バルトーク/管弦楽のための協奏曲
管弦楽/フィルハーモニア管弦楽団
指揮/スザンナ・マルッキ
ヴィオラ/ローレンス・パワー
スザンナ・マルッキは去年だったかにN響を振っていたような記憶があります。定期ではなくて名曲プログラム。ですが彼女~そう女性指揮者ですね~の主な活躍の場は現代音楽ですから、そういう指揮者にポピュラー名曲など振り当てるオケの方がどうかしてるんです。
現在はアンサンブル・アンテルコンテンポランの音楽監督を務めている才女。
現代音楽と言っても最初と最後の曲目は現代の古典ですから、あまり現代モノとは縁の無い指揮者でも取り上げます。その意味ではフィルハーモニアも同じようなものか。
それでも得意な作品のようで、書かれた声部を埋もれることなく明快に聴かせているのが判りますね。
ということで一番の聴きモノは真ん中に演奏された正真正銘現代作品の英国初演でしょう。オルガ・ノイヴィルト Olga Neuwirth は、1968年オーストリアのグラーツ生まれで、こちらも女性作曲家です。
タイトルは日本では何と訳されるのか知りませんが、歌の切れ端、とでも言う意味か。Amphigony は、無意味で馬鹿馬鹿しい作曲ということらしいですね。
全体は5楽章ですが、休みなく続けられます。第1楽章は前奏曲で「さすらい人」のタイトルがあります。第2楽章は Sadko と名付けられていますが、リムスキー=コルサコフの歌劇と同じ「サトコ」ですかね。だとすれば中世の叙事詩でしょう。第3楽章は「海の底深く沈む」とあり、最後の2楽章はタイトルがありません。
ある種のヴィオラ協奏曲で、演奏時間は20分ほど。終わりの方で何かの引用が聴こえますが、元が何だか判りませんでした。もしかしたら先生筋に当たるベリオの影響かも。
今回の演奏には作曲者も臨席していたようです。
調べてみたら、この作品は2010年に紀尾井ホールのヴィオラ・スペースで既に日本初演されていました。ロンドンより2年も前に紹介されているって、東京は凄い都市だと思いましたね。
ノイヴィルトさんの公式ホームページで見つけましたが、一般的にはこちらの方が読みやすいでしょう。↓
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