プロムスのオスロ・フィル(1)
昨日と今日のプロムスは、2日連続でノルウェーからのゲスト、オスロ・フィルの登場です。二晩とも新しく首席指揮者に就任したペトレンコの指揮。
≪Prom 68≫
チャイコフスキー/交響曲第1番
~休憩~
シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番
ラフマニノフ/交響的舞曲集
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/ヴァシーリイ・ペトレンコ
バイバ・スクリッド(ヴァイオリン)
ペトレンコは先に無料の演奏会でベートーヴェンの第9を振りましたが、私は感心しなかった指揮者。ところが今回はお国物のロシア音楽とあって、別人のような素晴らしい演奏を繰り広げています。
3曲については特に触れることもありませんが、最初のチャイコフスキーは今年のプロムスのテーマに沿ったもので、交響曲全曲演奏シリーズの一つで、第5弾に相当します。
またオスロのチャイコフスキーと言えば、未だ無名だった頃にマリス・ヤンソンスがシャンドスに交響曲全集を録音した曰くつきの作品。それもあってか、プロムスで取り上げるのは特別な事件だったのかも知れませんね。
またシマノフスキもプロムスの隠れテーマ、ポーランドの作曲家シリーズの一環で、取り上げられたヴァイオリン協奏曲はその代表作。単一楽章で書かれていますが、全体は5部から成るもの。
ソロを弾いたバイバ・スクリッドは若手の女流ヴァイオリニストで、今回がプロムス・デビューの由。譜面通りコチャンスキのカデンツァを弾きましたが、文句のつけようのない見事なテクニックで弾き切りました。
最後のラフマニノフは、ペトレンコとしては最も思い入れが強いようで、緩急自在にスケールの大きな演奏。チャイコフスキーでは楽章ごとに拍手が入るのが煩わしかったのか、ここでは全3楽章をほとんど休憩を入れずに一気に演奏していました。通し演奏は珍しいと思います。
アンコールがありましたが、5分ほどの静かな音楽で、作品名は判りません。アナウンスがありましたが、残念ながら聞き取れず。
ところでペトレンコ/オスロ・フィルは来年の来日が決まっているそうで、何故か私の所にもチラシが送られてきました。未来の巨匠を聴くなら今、というようなキャッチフレーズでしたが、プロムスに比べてプログラミングが陳腐。なぜ来日公演となると在り来たりな作品ばかりが並ぶのでしょうか。これで行く意欲は失せてしまいました。
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!