サラトガの惨めな閉幕

9月2日はレイバー・デイの休日、月曜日もアメリカでは3つの競馬場でG戦が行われました。
特にサラトガ競馬場は華やかであるはずの閉幕日に当たっていましたが、土曜日から続く泥んこ馬場は結局最終日にも解消されず、惨めな閉幕となってしまいました。
この日は2鞍のG戦が行われる筈でしたが、グレン・フォールズ・ハンデキャップ Glen Falls H (芝GⅢ、3歳上牝、11ハロン)は芝コースが使えずダート・コースに変更。その上に距離も11ハロンから9ハロンに変更され、当初登録9頭のうち何と7頭が取り消してしまいます。最終的にはダート変更時の登録馬5頭が加わって7頭立てでレースは成立しましたが、AGSC(アメリカ・グレード・レース委員会)の最終決定を待つまでも無く、グレード・レースの格付けは気剥奪されることになるでしょう。
ということで結果のみ。優勝は3対2の1番人気に支持されたレディー・コヒバ Lady Cohiba の逃げ切り勝ち。半馬身差で2着ホワイト・ローズ White Rose 、2馬身半差でスキャンぺリング Scampering が3着。勝馬は芝コースなら出走もしていなかった馬。クリストフ・クレメント厩舎、ジュニア・アルヴァラード騎乗。

そしてサラトガの掉尾を飾るのが、2歳GⅠ戦のホープフル・ステークス Hopeful S (GⅠ、2歳、7ハロン)です。グレード制導入時からずっとGⅠでしたが、去年GⅡに格下げ。しかし今年再びGⅠに復帰しました。この辺りの経緯は良く判りませんが、去年の格下げは何のためだったのか疑問を抱かざるを得ません。
昨日までの sloppy から更に悪化した muddy のダートコース、文字通り「泥んこ馬場」に予定通り10頭が出走してきました。トライアルとなるサラトガ・スペシャル(GⅡ)の勝馬コルフー Corfu が7対2の1番人気、2着馬でその前のサンフォード・ステークス(GⅡ)を制したワイア―ド・ブライアン Wired Brian が4対1の2番人気に支持されたのは当然でしょうが、馬場状態の全く異なるここでも実績通りの結果になるとは限りません。
その不安は不幸にも的中。逃げたコルフーも、2番手を追走したワイア―ド・ブライアンも掲示板には残れず、前者は9着、後者も5着と期待を裏切りました。優勝は、3番手追走から馬場を苦にせず伸びた5番人気(7対1)のストロング・マンデイト Strong Mandate 。直線では完全な独走で、ジョッキーはキャンターに落としましたが、それでも2着カサフアポ Casiguapo に9馬身4分の3差の大勝。3着は4分の3馬身差でルナーワォーフェアー Lunarwarfare が入りました。
これがホープフル6勝目となるウェイン・ルーカス師は、この日が78歳の誕生日。鞍上はホセ・オルティス。ストロング・マンデイトは、前走2戦目のメドン戦で未勝利を脱したばかりで、これで3戦2勝となります。この圧勝を額面通り受け取るべきか迷うところですが、母クリアー・マンデイト Clear Mandate はパーソナル・エンサインとスピンスターを制したGⅠ2勝馬。更にGⅡ時代に勝ったコーティリオンも現在はGⅠレースですし、3代母もGⅠ馬と血統的には筋が通っています。父系もティズナウ Tiznow 産駒ということで、現在は少なくなったマッチェム系を代表するサイアーライン。この先が楽しみな1頭であることに違いはありません。

さてレイバー・デイは、お隣りフィラデルフィアのパークス・レーシング競馬場でもG戦の祭典。ここでは3鞍のG戦が組まれていましたが、馬場はニューヨーク同様に雨に祟られています。
その最初はグリーンウッド・カップ Greenwood Cup (GⅢ、3歳上、12ハロン)。去年は7月14日に行われたレースで、馬場は同じく muddy 。7頭が出走し、2010年のBCマラソン(GⅡ)に勝ったことで知られるエルダーファー Eldaafer が5対2の1番人気に支持されていました。
レースはスカイ・ヴェンチャー Sky Venture の逃げ、エルダーファーは5番手の内を追走。直線、スルスルと内ラチ沿いに進出したエルダーファーが、外から追い込むインディアン・ジョーンズ Indian Jones との叩き合いをハナ差で制して期待に応えました。3着は3馬身半差でGⅠ馬で2番人気(3対1)のプール・プレイ Pool Play 。
ダイアン・アルヴァラード厩舎、リカルド・サンタナ騎乗のエルダーファーは、前走デラウェアのスタイミー・ステークス(一般ステークス、7月11日)2着以来の競馬で、今期5戦目での初勝利。グリーンウッド・カップは2009年にも出走しており、その時は3着に終わっていました。

続いてはターフ・モンスター・ハンデキャップ Turf Monster H (芝GⅢ、3歳上、5ハロン)。一昨年からG戦に格上げされた一戦で、何とか芝コースが使えました。馬場は yielding 、1頭が取り消して11頭立て。このレースを2連覇中のベンズ・キャット Ben’s Cat の3連覇に期待が集まり、2対1の1番人気。
しかし残念ながら本命馬の3連覇は叶わず、3番手の内ラチ沿いを進んだ伏兵(25対1、8番人気)ストームオブザセンチュリー Stormofthecentury が早目先頭のタイトゥンド・タッチダウン Tightend Touchdown を4分の3馬身捉えての波乱。頭差でベンズ・キャットは3着に終わりました。
ルイス・ルベルト厩舎、スチュアート・エリオット騎乗のストームオブザセンチュリーは、これがステークス・デビューでの3連勝。前走は初めて走ったこの競馬場でアローワンス戦に勝っていました。

パークス・レーシングのメインは、スマーティー・ジョーンズ・ステークス Smarty Jones S (GⅢ、3歳、8.32ハロン)。 去年からG戦に格上げたレースで、ケンタッキー・ダービー馬に因んで命名された一戦です。10頭が出走し、5対2の1番人気に支持されたのはカップリングされた2頭、エッジ・オブ・リアリティー Edge of Reality とスネーク・ピット Snake Pit ですが、もちろん人気は前者。ここまでステークスの勝鞍はありませんが、レース名となったスマーティー・ジョーンズでダービー・ジョッキーとなったスチュアート・エリオットが騎乗していたことも人気の要因でしょう。
そして泥んこ馬場で先手を取ったエッジ・オブ・リアリティー、これも2番手を追走していたスピーク・ロジスティックス Speak Logistics を首差抑えてドラマを締め括りました。3着は4馬身4分の1差で3番人気(3対1)のアンキャプチャード Uncaptured 。
アンソニー・ダトロウ厩舎、上記のようにスマーティー・ジョーンズとコンビを組んでいたスチュアート・エリオット騎乗のエッジ・オブ・リアリティーは、前走サラトガのカーリン・ステークス(一般ステークス)3着がステークス・デビュー。2戦目でのステークス、G戦共に初制覇となります。パークスを得意とし、この競馬場では5戦4勝、通算でも7戦4勝。この勝利により9月21日に行われるペンシルヴァニア・ダービー(GⅡ)への優先出走権を獲得し、同州のアイドルになるのも目前に迫ったようです。なお、エリオット騎手はターフ・モンスターに続いてG戦ダブル達成。

祝日の最後はデル・マー競馬場から、イエロー・リボン・ハンデキャップ Yellow Ribbon H (芝GⅡ、3歳上牝、8.5ハロン)。レース名が紛らわしくて困りますが、かつてのハリウッドのGⅠ戦ではなく、以前はパロマー・ハンデ Palomar H として知られていたレースですね。西海岸は天候も良く、馬場は firm 。1頭が取り消して9頭立てとなり、去年のこのレースに勝ったハロー・ドリー Halo Dolly が2対1の1番人気に支持されていました。
レースは、ア・ジェアラス・ウーマン A Jealous Woman の逃げ。2番手に付けた2番人気(5対2)のエッグ・ドロップ Egg Drop がこれを交わして先頭に立った所に、内からアピーリング Appealing が脚を伸ばします。更にこの2頭の間に割って入るようにマイ・ジー・ジー My Gi Gi も追い上げましたが、先行2頭の間が詰まり、思わずマイ・ジー・ジーのギャレット・ゴメスが馬を引っ張ります。最後はエッグ・ドロップが頭差アピーリングを抑えての入線。マイ・ジー・ジーは1馬身半離されて3番手で入線し、ハロー・ドリーは首差で4着。
このシーンが長い審議の対象になりましたが、内外の馬が寄れるような場面は認められず、結局は入線通りで確定しました。繰り返し映像を見ても、自然に2頭の間隔が狭くなったような印象です。
マイク・ミッチェル厩舎、マーチン・ガルシア騎乗のエッグ・ドロップは、これがG戦初勝利ですが、前走ロイヤル・ヒロイン・ステークス(芝GⅡ)ではシァパレルリ Schiaparelli の2着しており、G戦に勝つのも時間の問題だっとも言えましょう。

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