プロムスのオスロ・フィル(2)

9月3日のプロムスは、前日に続いてオスロ・フィルの登場。プログラムも定番の2曲で、まるで日本ツアーのような内容でした。

≪Prom 69≫
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第4番
 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/ヴァシーリイ・ペトレンコ
 クリスチャン・イーレ・ハードランド(ピアノ)

前半のベートーヴェンを弾いたハードランドは、今年のプロムスではカドガン・ホールの室内楽にも出演していた人。達者なピアニズムを披露していました。
カデンツァは普通にベートーヴェン作で、アンコールに弾かれたのはウイリアム・バードの小品だそうです。

後半のブルックナーは、疑いも無くノヴァーク版による第二稿。最も普通に取り上げられるヴァージョンです。
演奏もオーソドックスの権化のようなもので、往年の名指揮者に比べて遥かに正統派と言うか、教科書的な解釈に終始していました。

ここでプロムスの拍手について。
前日のチャイコフスキーが楽章毎に拍手が起きていたのに対し、この日のブルックナーは楽章間拍手は一切無し。ペトレンコから客席に注文があったのかは知りませんが、日によって随分違うなという印象。一方、ヤルヴィ/パリ管のブルックナー第7では楽章ごとに拍手がありました。ブルックナーだから、チャイコフスキーなら、ということでもなさそうです。
日本では楽章間拍手はほとんど無く、偶に協奏曲の第1楽章でソリストがあまりにも見事な演奏をしたときに「心ある」人がパラパラとする程度でしょう。

曲が終わった時の拍手について、日本では“指揮者のタクトが下りるまでは拍手をしないように”と口を酸っぱくして客席に呼びかけるオケもあります。
昨日の例では、ブルックナーが終わると同時に激しい歓声と拍手が巻き起こっていました。日本なら“フライングでしょ”とクレームが付くはず。特に最近の日本のブルックナー演奏会では、曲が終わり、指揮者がタクトを下ろしても暫くは沈黙が続き、まるでお葬式のようになるケースがしばしば見られます。
どっちもどっちだと思いますが、この辺りに英国人と日本人の気質の違いが見られて面白い、とも考えます。

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