サルビアホール クァルテット・シリーズ第32回

京都から戻ったのも束の間、昨日の月曜日は鶴見サルビアホールの四重奏例会に出掛けました。22日の木曜日に第31回を聴いたばかり、5日間で2回目の公演です。
前回は第9シーズンの最終回でしたが、今回は第10シーズンの開幕。しかも冒頭はライプチヒと同じ「不協和音」ということもあって、聴き比べるな、というのは無理というもの。以下のプログラムです。

モーツァルト/弦楽四重奏曲第19番ハ長調K465「不協和音」
リゲティ/弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」
     ~休憩~
ブラームス/弦楽四重奏曲第1番 作品51-1
 カザルス・クァルテット

カザルスQは二度目のサルビア登場。前回は2011年の秋でしたが、その時とメンバーは全く変わっていません。詳しくはこちらを見て下さいな。

http://merrywillow.blog35.fc2.com/blog-date-201111.html#2358

前回の印象、今回も全く同じでした。作品名を入れ替えるだけで今回の感想文になってしまうほど。我ながら呆れましたは、って当たり前か。
違うのは、前回は立って演奏していたのに、今回は全て普通に座って演奏したことでしょう。曲によってファーストとセカンドが入れ替わること、作品の年代(スタイル)によってバロック・ボウとモダン・ボウを使い分けること。
前回はボッケリーニのみアベルがファースト、かつバロック・ボウで演奏したのに対し、今回はモーツァルトのみアベルとバロック・ボウでした。つまりモーツァルトまでは作曲当時の古楽器スタイルを取り入れ、アベルがリード、現代作品はヴェラがリードし、もちろん現代スタイルでの演奏ということでしょう。4年間でブレはありません。

2011年のレポートにある「良く歌い」「解釈にドラマと、ストーリー性があること」「個性的な演奏」「パフォーマンスの積極性」といった感想は全て今回も当て嵌まりました。
一例を挙げればモーツァルト、第3楽章のメヌエットでは、メヌエット主部よりもトリオ部の方がテンポ感も早く、三部形式を単なるABAにはしない。こんな演奏、他にあっただろうか?

先週のライプチヒでも「良く歌う」ことに惹かれましたが、ドイツの団体はあくまでもレガート。カザルスのはレガートというより「心の歌」、頭より心臓から出てくる歌という印象が強いのです。
お前はどちらが好きなのか? と問われれば、カザルスです。と答えてしまいますね。

真ん中に置かれたリゲティの凄かったこと。これだけのテクニック、現代音楽でさえ堂々と歌い、圧倒的な迫力を突き付ける。聴いていて仰け反るしかありません。
モーツァルトはもちろんですが、リゲティでさえほとんど暗譜しているようで、譜面を見ているよりお互いを、時には聴衆とさえアイ・コンタクトを取る時間の方が多いのではないでしょうか。またその眼力ときたら、チェロ/アルナウに睨まれたら身動き一つ出来ませんよ。

後半のブラームスも同じ。こんなに楽しそうで、こんなパワー全開のブラームスでいいんだろうか? とさえ感じてしまう充実感。退屈する暇さえありません。

アンコールは前回と全く同じ。ヴェラが日本語を交えてアナウンスするのも3年前を髣髴させ、ファリャ(三角帽子から粉屋の踊り)とカタロニア民謡(鳥の歌)で笑わせ、泣かせるのにも、懐かしささえ覚えました。
前回の感想で「カザルスQの再登場希望」と書きましたが、それが実現してこんな幸せはありません。もう一度書きます。カザルスの再々登場も希望と。来日してくれれば何度も行きますよ、カザルス。

今回は愛知県の武豊と豊田での演奏会を終え、サルビアの後は白寿ホールでの公演がある由。曲目は全て同じ。白寿のチケットが手に入るようでしたら、聴き逃してはいけません。

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