90歳になったネヴィル・マリナー

8月10日のプロムスは、日曜日ということもあってプロムスは2本立てでした。もちろん1日2公演は珍しくないプロムスですが、オーケストラの公演が連続するのは数少ないことと思われます。
どちらも面白そうな作品が聴けるので、両方とも聴いちゃいましょう。先ずは午後4時から6時半頃まで掛かった「32」。個人的にも懐かしいマリナー指揮アカデミー・オブ・セント・マーチン・イン・ザ・フィールズの公演です。

8月10日 ≪Prom 32≫
ベートーヴェン/交響曲第1番
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
     ~休憩~
ウォルトン=パーマー/ヘンリー5世
 アカデミー・オブ・セント・マーチン・イン・ザ・フィールズ
 指揮/ネヴィル・マリナー Neville Marriner
 ヴァイオリン/ジョシュア・ベル Joshua Bell
 ナレーター/ジョン・ハート John Hurt
 合唱/ロンドン・フィルハーモニック・コーラス、トリニティー・ボーイズ・コール

マリナーは今年90歳を迎え、今や指揮界の最長老でしょう。ピエール・モントゥーに薦められて指揮者に転身、室内オケを代表するアカデミー・オブ・セント・マーチン・イン・ザ・フィールズを創設したのは最早伝説に属すると思います。
個人的にもマリナーの音盤には随分お世話になりました。思い出すのはベートーヴェンのエロイカで、CDが開発されて私が最初に買ったエロイカはマリナー/アカデミーによるフィリップス盤でしたっけ。演奏は爽快、録音は超優秀ということで、繰り返し聴いたものです。当時は未だ古楽器ブームが起こる前で、マリナーによる斬新なベートーヴェンは結構刺激的でした。

そのベートーヴェンが最初に演奏されましたが、老いてなお意気軒昂、相変わらずスタイリッシュなシンフォニーを味わえます。繰り返しもほぼ全て実行(メヌエット再現部での後半は省略)
続くブルッフを弾くのは、現在の同オケの音楽監督でもあり、コンサートマスターも務めるジョシュア・ベル。どうやらBBCホームページのクリップを見ると、ベルの弾き振りだったみたい。

極めて音楽的な協奏曲のあとアンコール。ベルのスピーチで、後半は映画音楽なのでアンコールも映画から。ナイジェル・ヘスが作曲、ジュディ・デンチが主演した「ラヴェンダーの咲く庭で」 Ladies in Lavender のテーマがオーケストラ伴奏付で演奏されました。映画の好きな方は是非聴いてみてください。このアンコールだけクリップで取り出しておりますから、単独で聴くことも可能。
後で知ったのですが、Ladies in Lavender の映画でヴァイオリンを担当したのもベルだったとのことです。

後半は今年のプロムスの隠れテーマでもあるウォルトン・シリーズの一つ。オリジナルは映画音楽ですが、クリストファー・パーマーが編纂したナレーションと合唱、少年合唱が入る演奏会版。演奏時間は丁度1時間もかかる大作で、プロムス初演だそうです。
英語が苦手な私にはやや長過ぎる印象だったかな。

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