日本一きたない蝶
しばらく自然ネタをやっていなかったので、品川区民公園を一回り。
花は、はや白い花の季節に移っている。月日は飛ぶが如し。
卯の花、ヤマボウシ、エゴノキ、トベラ、シャリンバイ。卯の花とエゴノキにはヒラタアブとクマバチが早朝から酒宴の真っ最中。
今日の目的は一つ。この公園には毎年樹液が出ているコナラがあって、もう集まっているだろうという確信。キマダラヒカゲである。予想通りウジャウジャいて、良い場所を巡る陣取り合戦を繰り返す。
キマダラヒカゲというのは実に冴えないチョウだ。現在は2種類に分かれていて、都内など平地にいるものがサトキマダラヒカゲ、山地性のものでやや暗い色調を持つものがヤマキマダラヒカゲ。
特に木更津あたりに特化したものをボウシュウヤマキマダラヒカゲと呼ぶらしい。木更津なら5年ほど寮生活をしていたから普通に観察できたはずだけれど、当時はそんなことは知らなかった。
10年以上前だろうか、日本蝶類学会を立ち上げたとき、創立大会冒頭で挨拶に立った政治家の鳩山邦夫氏が、
“日本で一番きれいな蝶はオオムラサキとかミヤマカラスアゲハとか言いますが、一番汚い蝶は何を挙げますか、皆さん。キマダラヒカゲという声が一番多いと思いますが、実は「カンキョウチョウ」です”
とやって、苦笑を誘い、場が白けたことがあったっけ。
それほどにキマダラヒカゲは人気が無いが、私にとっては初夏を告げる大切な行事。今年も夏が来たことを実感する。
品川区民公園は楕円形で、競馬場を連想させる。そもそもその積りだったのではないかと想像するほど。1周1800メートルと踏んだけれど、馬なら1回りに2分もかかるまい。
ハーブを植えている一角があって、そこにド完品のジャコメス(ジャコウアゲハの♀)が1頭いた。盛んに吸蜜してポーズを取るけれど、あいにくカメラ持参ではない。
この公園にウマノスズクサあったかなぁ。あまり手入れをしないのだろう。それは良いことだ。
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