プロムスのシベリウス交響曲全集(3)、ヴァンスカの巻
前回と前々回に続き、シベリウスの交響曲全集3日目です。前2回とはオーケストラがBBC響に替り、指揮者もシベリウスの権威オスモ・ヴァンスカ登場
8月17日 ≪Prom 43≫
シベリウス/交響曲第5番
~休憩~
シベリウス/交響曲第6番
シベリウス/交響曲第7番
BBC交響楽団
指揮/オスモ・ヴァンスカ Osmo Vanska
この演奏会に付いては特に書くことも無いでしょう。第5は1915年の初稿と1919年の改訂稿(現行版)があり、ヴァンスカは両方とも録音していますが、今回は改訂稿で演奏しました。もちろんこちらの方が優れているからでしょう。
全体にアグレッシヴな演奏で、弱音と強音の幅が大きく、スケールの大きいシベリウスを聴かせました。インキネンは6番と7番を休みなく続けるという拘りのアイディアを披露してくれましたが、ヴァンスカは普通に2曲として取り上げています。
敢えて一点指摘しておくと、第5の第2楽章後半 poco a poco stretto 。練習記号で言うとFからGにかけて、コントラバスがディヴィジとなり、表のグループが後打ちリズムで煽る個所がありますが、この激しさは今まで聴いたことの無いもの。全体に攻撃的な印象を与える要因の一つでしょう。
ところでヴァンスカは今年12月の読響定期で今回と全く同じプログラムを取り上げます。より確かな印象はその時に。上記コントラバスをヴァンスカはどのように指示し、ナマ演奏ではどう聴こえるのか、じっくりと聴いてきたいと思います。
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