名匠ハイティンクのザ・グレート
今年のプロムスも終盤に差し掛かってきましたが、毎年この頃になると海外の(もちろん英国にとって)超有名オーケストラや巨匠級指揮者が続々登場してきます。
今回はヨーロッパ室内管弦楽団をハイティンクが振り、ソリストにマリア・ジョアン・ピリスを迎えるという豪華版。もちろん演奏されるのも名曲ばかりで、現代作品の初演などはありません。
8月28日 ≪Prom 57≫
シューベルト/イタリア風序曲ハ長調D591
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調K488
~休憩~
シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレイト」
ヨーロッパ室内管弦楽団
指揮/ベルナルド・ハイティンク Bernard Haitink
ピアノ/マリア・ジョアン・ピリス Maria Joao Pires
そういう意味では、新鮮さより名演奏をゆっくり味わうのが筋。冒頭の序曲は比較的珍しいレパートリーですが、イタリア風というよりロッシーニ風序曲で、pp から ff までのクレッシェンドは、シューベルトが当時大人気だったロッシーニを真似たことは明らかでしょう。
続いては、今年のプロムスのテーマであるピアノ協奏曲シリーズの一環。モーツァルト後期の代表作をクリヤー、かつソフトに弾いてくれました。モーツァルト自身の短いカデンツァが選ばれたのも当然の流れ。
客席は足を踏み鳴らしてアンコールを要求していましたが、オマケはありませんでした。
最後の大ハ長調は、第4楽章の繰り返し以外は全て実行。それでも退屈させないのは、ハイティンクの円熟と人柄故でしょうか。
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