訃報、鈴木清三氏
音楽ネタ
ネタなどと言っては非礼に当たります。名オーボイスト、鈴木清三氏が12日、85歳で亡くなりました。
鈴木氏は日本フィルの創設メンバーで、ずっと首席を吹いてこられた方です。このオーケストラの第2回定期演奏会で、チマローザのオーボエ協奏曲でソロを吹いたのも、もちろん鈴木氏でした。
私が1965年に日本フィルの定期会員になった当時は、フルート/峰岸壮一、オーボエ/鈴木清三、クラリネット/浅井俊雄、ファゴット/戸沢宗雄、という木管四重奏で、今でも木管セクションの光景を思い浮かべることができるほどです。
ベートーヴェンのエロイカも、ブラームスの第1も、シベリウスの第2も、オーボエのソロは鈴木氏でした。
1972年に日本フィルが分裂し旧財団が解散された時、鈴木氏は小澤征爾氏と行動を共にし、結果的に新日本フィルの創設メンバーにもなりました。
現在配布される新日フィルのプログラムには、名誉首席として鈴木氏の名前が記載されています。
手元にある今朝(14日)の新聞には、残念ながら日本フィルでの経歴は触れられていません。
しかし私にとって鈴木清三は、専ら日本フィル首席としてのオーボエでした。旧財団時代の日本フィルの録音、そのほとんどのオーボエ・ソロは鈴木氏だと思いますし、残されているDVDで往時を偲ぶこともできます。
ご冥福をお祈りいたします。
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