クリスティアン・アルミンクのブラームスを聴く
12日の土曜日、以下のコンサートに出かけました。
新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会 すみだトリフォニーホール
ワーグナー/歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
~休憩~
ブラームス/交響曲第1番
指揮/クリスティアン・アルミンク
独奏/豊嶋泰嗣
コンサートマスター/西江辰郎
当日券も出ていたようですが、ホールは満席に近い状態。ただし聴衆は若い人が多く、定期などとは違った雰囲気です。演奏途中でチラシを落とす音がかなり聞こえ、安らかにお憩みの方々も多かったようです。
それはホールにも責任あり。以前にも体験しましたが、このホールの暖房は効き過ぎです。外が寒いだけに寒暖の差があり過ぎ、どうしても眠気を誘われてしまいます。私は滅多なことではコンサートで船は漕がないのですが、流石にブルッフはほとんど覚えていません。
ということで感想も簡単。
ブラームスは素晴らしい演奏でしたね。アルミンクは1971年生まれのイケメン、若い!! 着任当初から比べても、指揮者とオーケストラが手を携えてグングン成長していることがよく判ります。年を重ねる毎に音楽にも厚味を増しているようです。アルミンク、ウィーンっ子ですから、いずれウィーン・フィルとも係わるでしょうね。
今日のブラームスを一言で言うと、細部に拘るよりは全体の流れを重視する演奏。響きの激しさよりは音楽を歌わせることに重点を置いた表現。
後者の例を挙げると、例えば第1楽章の再現部の頭、342小節のティンパニはハッシと叩くのではなく、クレッシェンドを効かせて音を膨らませます。同じことは第4楽章の序奏における有名なティンパニ、Bの2小節前ですね、ここも耳を圧するような激しさを避けていました。
テンポも一本調子にスコアの指示を忠実に守るのではなく、きめ細かく変化をつける箇所もあって、「聴かせる」という意識も強いようです。その意識、例えば読響と同じ曲を演奏した上岡のような芝居っ気がないところが私の好みで、今日のブラームスには大いに好感を持ちました。
オーケストラも極めて好調。お正月のニュー・イヤーとはメンバーも大分替わっていたようです。特に今日はオーボエのトップが見慣れない人。席が遠かった(1階25列)のでハッキリしませんが、外人奏者のようでした。メンバー表には外国人の名前がないので、あるいはゲストだったのでしょうか。やや太目の音色ながら、素晴らしく存在感のあるオーボエ。特にブラームスは序奏や第2楽章に聴かせどころがあるので、思わず身を乗り出してしまいました。
アンコールはリームの「憧れのワルツ」というもの。リームってこんな曲があるの、という全く以って意外な作品で、今の時期に相応しい洒落たプレゼントでした。
このコンサートは衛星放送でもオン・エアされるそうです。BSイレブンという新しいチャンネルで、1月20日(日)午後2時からだそうです。聴き逃した方はこちらで是非!
ところで、プログラムに挟まれたチラシの中に来シーズンの予定がありまして、なかなか魅力的なラインナップです。以下はPDFですが、ご覧あれ。
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やはりアルミンクに注目ですね。音楽監督の名に恥じない選曲、登場回数が多いのも立派です。一般的には、客演のハーディング、ブリュッヘン、上岡などに人気が集まるのでしょうが、私は断然アルミンクの回を狙いますね。
9月の「薔薇の騎士」、11月のクルターク、7月のフランツ・シュミットなどは是非聴きたい。6月のアルマ・マーラーの作品とマーラー第9なんてのは笑ってしまいますし、7月サントリーの望月京への委嘱作も落とせません。
ということで、2008/2009は新日本フィルにも何度か出掛ける気配。
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