ロイヤル・アスコット2008・2日目
昨日に続き、ロイヤル・アスコットの2日目、パターン・レースの結果報告です。2日目のラインナップは、
①ジャージー・ステークス(GⅢ、3歳、7ハロン)
②ウインザー・フォレスト・ステークス(GⅡ、4歳上牝、1マイル)
③プリンス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅠ、4歳上、1マイル2ハロン)
④クィーン・メアリー・ステークス(GⅡ、2歳牝、5ハロン)
ジャージー
アスコット第2幕のカーテン・レイザー(幕開け)です。18頭の登録から2頭が取消、16頭立て。これまで2戦無敗のカーミング・インフルエンス Calming Influence が1番人気を集めたものの、失望の9着敗退。勝ったのは13対2に支持されたアクラーム Aqlaam 。ウィリアム・ハッガス師が調教、リチャード・ヒルズ騎乗でした。2着は2馬身遅れてイル・ウォード Il Warrd 、首差3着に2000ギニー5着馬・芦毛のドリーム・イーター Dream Eater が入っています。
アクラームは去年のロイヤル・アスコットで骨折(3着)、1年間の治療の後3歳から復帰してこれがまだ3戦目という新星です(これで3戦2勝)。これから注目される存在に成長してくるでしょう。
オーナーのシェイク・ハムダン・アル・マクトウムにとって、これが今ロイヤル開催の初勝利となりました。
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ウインザー・フォレスト
13頭立て。古馬牝馬のマイル戦ということもあり、去年も出走しているメンバーもチラホラ。勝ったのはその1頭、去年のウインザー・フォレストは3着だったサバナ・ペルディダ Sabana Perdida でした。アラン・ロワイヤー=デュプレが調教、クリストフ・ルメール騎乗ですから、フランスからの挑戦ですね。
1番人気に支持されていたへヴンリー・セント Heavenly Sent が先頭に立ち、そのまま逃げ切るかに思えた瞬間の逆転劇。着差は4分の3馬身です。サバナ・ペルディダは馬場が固くないと本領を発揮できないタイプですから、今年のアスコットは条件が適していたことになります。もし馬場がもう少し重ければ、へヴンリー・セントに勝利の女神が微笑んだでしょうに・・・。
勝馬は地元フランスでGⅢを連勝していましたし、へヴンリー・セントも前走ダーリア・ステークス(GⅢ)に勝った馬。このところの好成績を反映した結果と言えるでしょう。
それは更に1馬身4分の3差で3着に入ったグレシアン・ダンサー Grecian Dancer についても言えること。彼女の前走はリッジウッド・パール・ステークス(GⅢ)の優勝ですからね。このグレシアン・ダンサー、今回のレースを最後に引退します。実は既にお腹に新しい命を宿しているんですねぇ。以前にも日記で紹介したこともありますが、妊娠中の牝馬が好走する例は意外に多いものです。
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プリンス・オブ・ウェールズ
当初登録の13頭からリテラート Literato が取消して12頭立て。リテラートは去年のチャンピオン・ステークス覇者ですが、どうも今年は不調のようで、ここまでの2戦では凡走が目立っていました。
2日目で最も注目されたのが、このプリンス・オブ・ウェールズですね。
4歳を迎えた今年、GⅠを連勝したデューク・オブ・マーマレイド Duke of Marmalade が大注目。管理するオブライエン厩舎が初日にGⅠダブルを達成したことも手伝って、イーヴン(2倍)の圧倒的1番人気を集めていました。オブライエン厩舎、三つ目のGⅠ達成なるか!! そしてマーマレイドのGⅠ3連勝は!!
達成しましたねぇ~。しかもアッサリと。2着フェニックス・タワー Phoenix Tower とは4馬身差。馬の「格」の違いとしか言いようがありません。フェニックス・タワーは、前走ロッキンジ・ステークスでクラカドールの2着に食い込んだ馬。そのときの3~6着馬が初日のクィーン・アン・ステークスで好勝負を展開したことから判断しても、如何にデューク・オブ・マーマレイドが傑出しているかが判って頂けるでしょう。
3着は短頭差でパイプドリーマー Pipedreamer 、去年ケンブリッジ・ハンデを制した馬です。
勝馬のレース内容は、ワンマンショーならぬ「ワンホースショー」。去年はオブライエンのエース格ディラン・トーマスをフランスから挑戦したマンデュロが撃破したレースですが、今回はアイルランド勢にとっても久々のプリンス・オブ・ウェールズとなりました。
このレースをアイルランド調教馬が制したのは、何と1983年のスタネーラ Stanerra 以来のこと。黎明期のジャパン・カップを制した牝馬の名前を聞くのは久し振りでしょうが。
これほどの馬が何故去年は勝てなかったのか。それはガネー賞の日記で紹介していますが、2歳時の骨折の影響。今年になってこれも完治。騎手ムルタに“the best horse I’ve ever ridden”という言葉を吐かせるまでに成長してきました。
次走はエクリプス・ステークスの予定、その後はサセックスかキング・ジョージか。スピードもスタミナも兼ね備えた新たなチャンピオンの登場です。エイダン・オブライエン師、持てる者の悩みか・・・。
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クィーン・メアリー
17頭立て。大分長くなってきましたから、2歳牝馬にとって今期初のパターン・レースについては簡単に。
デーンヒル・デスティニー Danehill Destiny に人気が集まりましたが、スタートで敗退。シンガリに負けてしまいました。
レースは大混戦で、1着から4着までは首、頭、首、頭。結果としては1着ラングズ・ラッシュ Langs Lash 、2着シルル Shyrl 、3着コニー・マック Connie Mac 、4着ラッキー・レイ Lucky Leigh ということになっています。
勝った馬は6番枠ですが、2着と3着は夫々2番枠と1番枠。この辺がレースの流れに大きく影響したのは間違いないところで、この結果がそのまま実力を表しているとは思えませんね。
勝馬の調教師はミック・キンラン Mick Quinlan 、騎手は久しぶりに脚光を浴びたアラン・ムンロくんでした。
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以上、2日目のレポートでした。映像と共にご覧下さい。
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