スクロヴァチェフスキの見事なプログラム
このところニューヨーク・フィルのプログラムに凝っています。ワルターとトスカニーニを紹介しましたが、実は他にもいろいろ抜き出してニンマリしているトコロ。
こんなことばかり書いていても仕様が無いのですが、これだけは見て欲しい、知って貰いたい、と思うのがミスター・Sことスタニスラフ・スクロヴァチェフスキのプログラム。
残念ながらこのニューヨークフィル史は1971年までなので、その後の登場の記録は判りません。それでもミスター・Sがニューヨーカーに突きつけた10種類のプログラムの見事なことヨ。
何処がどう凄いか、それは見た人が判断してちょうだいな。
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1960年12月29・30日 1961年1月1日 カーネギーホール
モーツァルト/交響曲第29番
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲
ブラームス/交響曲第3番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
1961年1月5・6・7・8日 カーネギーホール
チュー・ウェンチュン(周文中)/And the Fallen Petals (花落知多少)
ハチャトゥリアン/チェロ協奏曲
ベルリオーズ/幻想交響曲
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチエフスキ
チェロ/ロハン・デ・セーラム
1968年11月27・29・30日 12月2日 フィルハーモニックホール
ルトスワフスキ/弦楽オーケストラのための葬送音楽
シマノフスキ/交響曲第2番作品19
チャイコフスキー/交響曲第4番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
1968年12月5・6・9日 フィルハーモニックホール
バッハ=スクロヴァチェフスキ/トッカータとフーガ ニ短調BWV565
ショパン/ピアノ協奏曲第2番
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ピアノ/アレクシス・ワイセンベルク
1970年12月3・4・5・7日 フィルハーモニックホール
モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K271
ブルックナー/交響曲第5番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ピアノ/ルドルフ・フィルクスニー
1970年12月10目11・14日 フィルハーモニックホール
ウェーバー/歌劇「幽霊の統治者」序曲
ヒナステラ/交響的練習曲 作品35
シベリウス/交響曲第2番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
1970年12月17・18・19日 フィルハーモニックホール
バーバー/メディアの復讐の踊り
ウイリアム・シューマン/チェロと管弦楽のための幻想曲「オルフェウスの歌」
ドヴォルザーク/交響曲第6番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
チェロ/ローヌ・マンロウ
1971年3月25・26・29日 フィルハーモニックホール
メニン/管弦楽のためのシンフォニア
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番
シューマン/交響曲第1番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ヴァイオリン/デーヴィッド・ナディーン
1971年4月1・2・3・5日 フィルハーモニックホール
バルトーク/弦楽のためのディヴェルティメント
クセナキス/16の管楽器のための「アクラータ」
バッハ/管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
メンデルスゾーン/交響曲第1番
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
(5日はリンカーンセンターの学生プログラム。バルトークは第1・3楽章のみ、バッハは序曲とエアのみが演奏された)
1971年4月8・9・10・12日 フィルハーモニックホール
ハイドン/ミサ曲ニ短調「ネルソン」
黛敏郎/「曼荼羅」交響曲
シマノフスキ/スターバト・マーテル 作品53
指揮/スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ソプラノ/イヴリン・リアー
コントラルト/ブリギット・フィニラ
テノール/ジョン・スチュアート
バリトン/シェリル・ミルンズ
合唱/ウェストミンスター合唱団(ロバート・カーウィセン指揮)
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凄さの一例。
例えば、71年4月1~5日のプロを見よ。作品の演奏順は私の想像ですが、前半は弦だけのバルトークと管だけのクセナキスを並べてます。
後半で弦と管が一体になった作品、それもバロックのバッハとロマン派のメンデルスゾーン。バッハは♯二つのニ長調で、メンデルスゾーンは♭三つのハ短調。
しかも、これを学生向けのエデュケーション・プログラムでも取り上げる。バルトークとクセナキス!! を。
これなどは読響で披露したオネゲル/メシアン/ブラームスを連想させるじゃあ~りませんか。
マエストロ・スクロヴァチェフスキ、読響首席指揮者を1年延長し、来シーズンはどんなプログラムで臨むのか期待が高まってます。これらを参考にして予想するのも又楽し。でしょうが・・・。
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