二人の巨匠とニューヨーク・フィル

ニューヨーク・フィルのプログラム紹介、もう少し続けたいと思います。なんたって夏は暇なもんで・・・。
今回は日本のクラシック・ファンには大人気の独墺系巨匠を二人取り上げます。そう、カラヤンとベーム。二人共ニューヨーク・フィルとは特別に深い関係ではありませんでしたが、シッカリ定期には登場していますし、それぞれ得意のプログラムを披露しました。
先ずカラヤン、一度だけの登場です。
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1958年11月13・14・15・16日 カーネギーホール
 ウェーベルン/弦楽のための5楽章 作品5
 モーツァルト/交響曲第41番
 R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」
  指揮/ヘルベルト・フォン・カラヤン
1958年11月20・21・22・23日 カーネギーホール
 ベートーヴェン/交響曲第1番
 ベートーヴェン/交響曲第9番
  指揮/ヘルベルト・フォン・カラヤン
  ソプラノ/レオンタイン・プライス
  アルト/モーリーン・フォレスター
  テノール/レオポルド・シモノー
  バス=バリトン/ノーマン・スコット
  合唱/ウェストミンスター合唱団(ウォーレン・マーティン指揮)
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以上です。この当時はレナード・バーンスタインが音楽監督でしたから、二人の邂逅があったかもしれません。このシーズンは10月にバーンスタインの指揮でスタートし、11月初めはトーマス・シッパーズが担当して後半がカラヤンでした。その後は12月一杯バーンスタインが振っていますので、カラヤンとバーンスタインは共にニューヨークにいたはずです。
上記のプログラムの内、ウェーベルンとベートーヴェンの第9は、後にFM東海で放送されました。私もこれをエアチェックして繰り返し聴いたものです。カラヤンとニューヨークの珍しい第9、CD化されているのでしょうか。音源は間違いなく存在します。
続いてカール・ベームを紹介しましょう。彼は何度かニューヨークの指揮台に立っています。
1960年12月8・9・11日 カーネギーホール
 モーツァルト/交響曲第34番
 ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容
 ブラームス/交響曲第4番
  指揮/カール・ベーム
1962年11月1・2・3・4日 フィルハーモニックホール
 モーツァルト/交響曲第41番
 ブルックナー/交響曲第7番
  指揮/カール・ベーム
1962年11月8・9・10・11日 フィルハーモニックホール
 J.C.バッハ/シンフォニア ト短調 作品6-6
 ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
 R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」
  指揮/カール・ベーム
  ヴァイオリン/ジョン・コリリアーノ
  チェロ/ラースロ・ヴァルガ
1962年11月15・16・17・18日 フィルハーモニックホール
 ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
 R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」
  指揮/カール・ベーム
  ヴァイオリン/ルッジェーロ・リッチ
1962年11月22・23・24・25日 フィルハーモニックホール
 アイネム/組曲「ダントンの死」作品6a
 シューマン/ピアノ協奏曲
 ベートーヴェン/交響曲第7番
  指揮/カール・ベーム
  ピアノ/ジュリアス・カッチェン
1971年3月4・5・6・8日 フィルハーモニックホール
 モーツァルト/交響曲第28番
 ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版)
 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
  指揮/カール・ベーム
  ピアノ/クラウディオ・アラウ
1971年3月11・12・15日 フィルハーモニックホール
 モーツァルト/交響曲第33番
 ブルックナー/交響曲第8番
  指揮/カール・ベーム
1971年11月18・19・20・22日 フィルハーモニックホール
 シューマン/交響曲第4番
 ブラームス/交響曲第4番
  指揮/カール・ベーム
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この後があったのかも知れませんが、この書物の記録集はここまでです。この内、1971年のアイネム作品はFM東海で放送されています。もちろんアイネムの同名の歌劇から演奏会用に編んだ組曲版。ベームはこれを得意にしていました。極めて硬質な名演だったと記憶しています。
ベームとしては正規スタジオ録音のないものも取り上げられていますね。ヒンデミット、クリスチャン・バッハ、ブラームスのドッペル・コンチェルトやメンデルスゾーン、シューマンの協奏曲も珍品に属するでしょう。
それに何と言ってもアラウとのブラームス第2、これなど聴いてみたい気がします。音源は当然残っているでしょう。

 

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