BC初日の結果
サンタ・アニタ競馬場で行われたブリーダーズ・カップ初日の結果です。現地の20時35分から23時15分。カリフォルニアは日本と17時間の時差があります。要するに日本の時計を7時間(24-17)戻せば、現地の時間になる勘定ですね。
ということは、最後のレディーズ・クラシックがスタートしたのは今朝の6時15分(日本時間の)。まだ5時間チョッとしか経っていません。
結果もヨーロッパ視点で。
初日は牝馬のレースだけ。最初のスプリントはヨーロッパ勢不参加。勝ったのはヴェンチュラ Ventura という馬だそうです。
二つ目、2歳牝馬の芝コース。ヨーロッパ勢ではただ1頭、オブライエン厩舎のハート・シェイプト Heart Shaped が参加していましたが、ハナ差2着の惜敗。惜しかったですね。勝ったのはメイラム Maram 。
2歳牝馬のダート戦。ワハマン厩舎のパスート・オブ・グローリー Pursuit of Glory は11着惨敗で、勝ったのはスターダム・バウンド Stardom Bound 。
この日のレースでヨーロッパ勢に最も期待が掛かっていたターフ。3頭がチャレンジしましたが、スタウト厩舎のヴィジット Visit の4着が最高。オブライエンのハーフウェイ・トゥー・へヴン Halfway To Heaven は7着、ゴドルフィンのフォーク・オペラ Folk Opera が9着と全く良いところ無し。
1番人気に支持されていたハーフウェイ・トゥー・へヴンは、馬場状態どうこうより、シーズンの使い過ぎが敗因とか。それなら無理させなくても良いじゃないか、と思ってしまいますよね。
一方、ヴィジットは一旦先頭に立つ場面もあり、健闘したと言えましょう。この馬には距離がやや長かったかも。
勝った地元馬はフォーエヴァー・トゥギャザー Forever Together 。
金曜日のメイン、レディーズ・クラシックは、本命のゼンヤッタ Zenyatta が期待に応えて快勝。最後方から一気の追い込みだそうです。これで9戦9勝のパーフェクト。
騎乗したマイク・スミス騎手は、ジュヴェナイルのスターダム・バウンドに加えてこの日2勝。最高の一日だったでしょう。
ヨーロッパから挑戦したゴドルフィンの2頭、ココア・ビーチ Cocoa Beach とミュージック・ノート Music Note は夫々2・3着。これは大健闘。
以上、ヨーロッパ組は勝てませんでしたが、全体的には良い結果が出ました。ハーフウェイ・トゥー・へヴンの凡走にはガッカリですが・・・。
アメリカ馬のことはよく判りませんが、ゼンヤッタとフォーエヴァー・トゥギャザーについては血統を紹介しておきましょう。
まずゼンヤッタ。
この牝馬は怪物ですね。9戦無敗ですが、GⅠは4勝、GⅡも3勝という凄い成績。GⅠは昨日のレディーズ・クラシックの他に、アップル・ブロッソム・ハンデ、ヴァニティー・ハンデ、レディーズ・シークレット・ステークスがあります。1対2の圧倒的人気を集めたのも当然でした。
血統ですが、父はストリート・シティ Street City 、母はヴァーティジヌー Vertigineux 。母の父はクリス・エス Kris S です。
ストリート・シティはドバイで活躍した馬。UAE2000ギニーとドバイ・ワールド・カップに勝った馬で、既に種牡馬としてケンタッキー・ダービーに勝ったストリート・センス Street Sense を出しています。
ストリート・シティの父はマキャヴェリアン Machiavellian ですから、ミスター・プロスぺクター Mr Prospector 系。ザルカヴァと同様、現在の世界で最も華々しいサイヤーラインですね。
ゼンヤッタの血統で驚くべきは、姉のバランス Balance もGⅠに3勝していること。ラス・ヴィルジェネス・ステークス、サンタ・アニタ・オークス、サンタ・マルガリータ・ハンデと。
バランスの父はサンダー・ガルチ Thunder Gulch ですから半妹ですが、サンダー・ガルチはガルチ Gulch を経て、これもミスター・プロスぺクター。いやはや、参りました。
次に芝を制したフォーエヴァー・トゥギャザー。この馬もターフがGⅠ3勝目。他の2鞍も芝コースのGⅠ、ダイアナ・ハンデとファースト・レディー・ステークスです。
これで14戦7勝は立派。決してフロックではありませんね。
この馬の血統は正にアメリカン。父はビロング・トゥー・ミー Belong To Me 、母はコンスタント・コンパニオン Constant Companion 。
フォーエヴァー・トゥギャザーは芦毛馬ですが、この毛色は母から受け継いだもの。母の父リローンチ Relaunch が芦毛ですよね。
ビロング・トゥー・ミーはダンジグ Danzig 産駒。ノーザン・ダンサー系が一矢を報いた格好です。
ビロング・トゥー・ミー自身はアメリカのGⅢを2勝した程度。種牡馬としても主な活躍馬はアメリカが中心で、ヨーロッパではほとんど活躍馬を出していません。
今回のフォーエヴァー・トゥギャザーが代表産駒に数えられると思いますが、他にはエイコーン・ステークス、マザー・グース・ステークス、テスト・ステークスとGⅠに3勝したジャージー・ガール Jersey Girl が目立つくらい。
この優勝で注目が集まるかも知れませんが、どうやらビロング・トゥー・ミーは2006年にチリに輸出されたようです。
以上、ブリーダーズ・カップの牝馬戦、ターフとレディーズ・クラシック(旧ディスタフ)を制した馬の血統を紹介しました。
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